奮戦記
【08.12.30】中小企業・業者が安心して年末・年始を迎えられるように
大手銀行6グループの中小企業向け融資残高は、わずか半年(9月末〜3月末)の間に約2兆9000億円も減少しました。
そのため、資金繰り倒産が急増し、東京商工リサーチの調べでは、1〜10月の企業倒産件数のうち「運転資金の欠乏」による倒産が、前年同期比31.3%も増えました。
日銀は12月に入って、企業の資金繰り支援策を決めましたが、それは銀行への資金供給をじゃぶじゃぶ拡大するだけで、実際に中小企業にお金が回るかどうかは、きわめて疑問です。
大企業向けの融資枠だけは潤沢になるが、困っている中小企業には資金が回らず、結局日銀の当座預金が拡大するだけというのが実態のようです。
お金がないのではなく、問題なのは「貸し倒れ」を懸念する銀行の貸し出し姿勢が慎重になっていることです。
そのため、依然として貸し渋り・貸しはがしが止まりません。
こうしたなかで、銀行から融資を受ける“切り札”として、政府が10月31日から始めたのが緊急保証制度ですが、ここに中小企業の申請が殺到していると言われます。
二階経済産業大臣は、12月30日時点で、あわせて17万件、金額で3兆9000億円に上っていると説明し、「関係者には、昼夜を分かたず、中小企業の信用保証の作業を行ってもらい、一定の成果を収めることができた」と述べました。
しかし報道によれば、ある中小企業経営者は「年末ぐらいまではなんとかいけるが、すでに10%減っている売り上げがさらに落ち込めば、再び手当てが必要だ」とのべています。
また「つきあいの長い銀行なのに、緊急保証をつけなければ貸さないと言われた」と銀行の姿勢を批判する経営者もいます。
信用保証の100%保証はもちろん、銀行の貸し出し姿勢を正すことも、緊急に求められているのです。
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