奮戦記
【08.12.29】品川正治氏(経済同友会終身幹事)の卓見に賛同する
今日の「朝日新聞」に「耕論─雇用危機の姿」という特集が組まれています。
そのなかで、経済同友会終身幹事で国際開発センター会長の品川正治さんが、最近の雇用危機に関連して次のように述べていることに注目しました。
「非正規労働者を調整のための『物』と見なす風潮の横行に今年、労働者の危機感は高まった。小林多喜二の『蟹工船』が若い人たちの間で話題となり、『搾取』という古い言葉が議論に欠かせなくなった。労働者の危機感は現実となり、いまや『路頭に迷わせるな』というこれまた古い言葉が、切実さをもって復活している」と。
そのうえで「経済も人間の目でとらえることができるか。経営者として私は自ら問うてきた」と述べています。
経営者の側に身を置きながら、人間の目でとらえる言葉には、ズシリとした重さを感じます。
そのうえで、品川氏は「……経済は変質した。国際金融資本や多国籍企業の視線に、国家も国民も振り回されている。痛みは大きいが、米国型金融資本主義が崩壊したことに安心さえ覚える」と述べています。
最後に品川氏は、次のように問いかけています。──「経営者は本来、資本家のためだけではなく、従業員や代理店などすべての利害関係者のために仕事をするものだ。いま、職と家を失った非正規労働者の受け皿を、他の企業や自治体が用意する動きが急速に広がっている。彼らは人間の目で、人間を見ている。あなたには見えますかと、経営者に聞くとよい」。
この呼びかけは、私たちを含むすべての国民にたいして向けられていると感じます。
このような経営者が、この日本に広がることを心から願うものです。
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