奮戦記
【08.12.28】銀行への公的資金投入問題で『前衛』に論文を書きました
年明け早々に発行される『前衛』(2009年2月号)に、私の論文「株主利益優先の大銀行に変容させた公的資金投入」が掲載されます。ぜひご覧下さい。
銀行に対する公的資金の投入問題は、この10年来の国会論戦で大きな焦点になってきたテーマです。
乱脈経営で破綻した銀行の経営に、何の責任もない国民がなぜ負担しなければならないのか。これが、批判のポイントでした。
同時に、公的資金投入を契機に、政府が銀行に「経営健全化計画」などの計画を出させ、銀行の体質を変えるよう誘導してきました。
さらに、過去の損失で穴埋めするかたちで法人税を減税できる仕組みを用意し、3メガバンク6大銀行が、この7年間で法人税を1円も払わない状態をつくりました。
このような政府による至れり尽くせりの支援のもとで、大銀行は「利益のあがる体質」づくりに邁進するようになり、「株主の利益」を最優先する一方、利用者をないがしろにする体質へと変容をとげました。
大量の人減らし・リストラを推進し、支店を縮小・廃止して「コスト削減」を実行し、労働者にしわ寄せしただけでなく利用者に対するサービスの切り捨てをおこないました。また、貸し出し先を選別・差別したり、貸し渋り・貸しはがしを加速させ、中小企業・地域経済にしわ寄せを広げました。
さらに、本業以外の手数料収入を増加させ、新しい金融派生商品などでの資金運用を増やしてきました。
今回の金融危機は、そのような危なっかしい運用に傾斜してきた金融機関を直撃しました。
この間、大手金融機関を中心とする経営体質に大きな変化が起こり、大銀行を中心とする金融機関の再編が進みました。
『前衛』に掲載される論文では、大手金融機関をこのように変容させるに至るひとつの契機となった公的資金投入策がどのようにして導入されたか、それがどのように発動されたかに絞って、問題点を明らかにしています。
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