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奮戦記

【08.11.11】自衛隊内教育の恐るべき実態──参院外防委の田母神参考人質疑

   今日午前、参院外交防衛委員会では、歴史認識に関して政府見解と異なる論文を公表したとして更迭された田母神俊雄前航空幕僚長を参考人として招致し、質疑をおこないました。
 質疑を通じて、改めて田母神の特異な存在が浮き彫りになりました。
 しかし、それ以上に驚いたのは、その特異な思想によって自衛隊員が教育されており、それを政府が黙認しているという問題です。

 日本共産党の井上さとし参議院議員は、田母神氏が「今年の4月1日に空自の訓練の場で訓話にたって、南京大虐殺に触れ、自虐史観を悲観したと報道されている。論文と同じ趣旨の内容をさまざまな場所で訓話や講話をしている」と指摘しました。
 その内容は、「政府見解にも反しており一自衛官の言論の自由という問題ではない。強力な権限をもっている人がその権限として講話をしている。重大ではいか」と。
 これにたいして、浜田防衛大臣は「大変重大との認識のもとに今回おやめになってもらった」と述べました。

   井上議員は「田母神氏は平成16年の雑誌で『統幕学校では今年の一般過程から、国家観・歴史観という項目を設け、5単位ほどわが国の歴史から伝統への理解を深めさせるための講義を計画した。主として外部から講師を呼び実施している』と書いている。これは事実か」と聞きました。
 田母神氏は「はい、事実です」と答え、この一般過程の創設を主導したということ認めました。
 そのうえで「日本の国をわれわれがいい国だと思わなければ、頑張る気になれません。悪い国だと言ったんでは自衛隊の人もどんどん崩れますし、そういうきちっとした国家観、歴史観なりを持たせなければ国は守れない、と思いまして私がこの講座を設けました」と応じたのです。

   当時、田母神氏は、統合幕僚学校長として、陸海空のすべての幹部教育の体系を改定しており、この教育はすでに4年間、実施されているのです。
 井上氏は「平成20年のものをみると、例えば『大東亜戦争史観』『日本国憲法の本質』とある。ほかの年度をみると『東京裁判史観』という項目もある。こうした呼び名自体が侵略戦争を否定するなかで使われる言い方だ」と批判しました。

 さらに井上氏は「平成18年の内容の一部は、大正大学の福地惇教授が4月17日に行ったとホームページで明らかにしている。講義目的は、第1に昭和の戦争は東京裁判の起訴状と判決によるような侵略戦争ではまったくなく、自存自衛のためにやむを得ない戦争だったこと。それが了解できれば、現憲法体制は論理的に廃絶しなければならない虚偽の体制だと断言できることを論ずることであります、と言っている」と暴露しました。

 これは、村山談話にも政府見解にも反するような、特異な歴史観を自衛隊幹部全体に職務として教え込むというもので、きわめて重大です。
 自衛隊のなかでどのような教育が行われているのか、講師名を公表すること、幹部教育の内容の全容を明らかにすべきです。

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