奮戦記
【08.10.08】新テロ特措法案──民主党はなぜ“敵に塩を送る”?
麻生内閣は、インド洋で米軍等に石油をただで供給する「新テロ特措法」延長法案の成立を狙っています。
野党は、これまで反対の立場をとってきました。ところが、今日、民主党が驚くべき主張をしたのです。
それは「本会議での質疑を省略して、法案を委員会に直接下ろしたい」というもので、しかも「短時間の質疑で採決する」ことも容認するというのです。
昨日の衆院議院運営委員会では、自民党が「新テロ特措法」延長法案の提案理由説明を9日(木)の衆院本会議でおこないたいと提案しました。
これにたいして、野党側は「同意できない。持ち帰って検討する」という対応をしていたのです。
今日の民主党の態度変更に、唖然としました。――これでは、「法案への態度は反対」だが、法案の成立については「協力する」ということになるではありませんか。
その理由は、麻生総理の解散前のハードルを取り払い「解散しやすい」条件をつくって早期解散を促すためと言われています。
しかし、そのような妥協的な対応をすればするほど、自民党の思い通りの国会運営ができ、総理が「解散」する必要がなくなるではありませんか。
「敵に塩を送る」という言葉がありますが、まさにそれがぴったりではありませんか。
この法案は、もともと米軍などによる報復戦争・掃討作戦に燃料を補給し支援するもので、対アフガン任務を兼ねていれば、イラク空爆を行う米艦船にも給油できるのです。
さらに重要な問題は、新テロ特措法案がアフガニスタンの和平の探求に逆行するとなっていることです。
テロに対し報復戦争で対応してきたことが、新たな憎しみと暴力を生み、アフガン情勢の泥沼化をつくりだしたことは、この間、誰の目にも明らかとなりました。
いま日本がなすべきことは、アフガンの和平を促進する外交努力です。
国民は、いま石油などの生活物資の値上がりに直撃され、冬場を迎え高齢者は寒さに耐え、灯油を節約しようとしているのです。それを放置しながら、米軍にだけはタダで供給するというのはとうてい納得できません。
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