奮戦記
【08.08.18】介護・福祉労働者の劣悪な労働条件の抜本改善を!
今日の「しんぶん赤旗」によると、家族の介護や看護のために離職・転職した人が、年間14万4800人にのぼっていることがわかりました。
総務省の「就業構造基本調査」で明らかになったものです。
この数は、前年から4万人増え、過去10年間で最多です。
家族の看護・介護のために、職場を離れざるを得ない現実を示しています。
これは、介護や福祉の分野で、公的な支えが弱まっていることの反映でもあります。
介護・福祉関連事業所の経営難や人員不足のもとで長時間過密労動が広がり、サービスが脅かされています。
最近、日本医労連(日本医療労働組合連合会)が、全国6800人の労働者から寄せられた「介護・福祉労働者の労働実態調査」結果をまとめました。
そこで明らかになったのは、各職場で労働基準法が守られない状態が常態化していることです。
約3分の2の労働者が、通常業務の準備、片付け、記録などのサービス残業をしていました。
休日の施設行事への賃金支払いが「ある」はわずか25・9%で、所定の休憩時間が取れない職場もあります。
賃金も低く、正職員の所定内賃金は、20万円未満が42・9%も占めています。
介護福祉士平均では、月19万4600円、ヘルパー(1―3級)平均は17万5200円です。
パートの時給は、800―900円未満が29・4%、900―1000円未満21・1%、1000―1100円未満15・2%でした。
多くの職員が自身の健康に不安を抱え、慢性疲労状態の人が61・3%、腰痛や肩こりを訴えた人が半数を超えました。
人手不足や忙しさから、現場では利用者の転倒や転落などの事故が起きており、「利用者に十分なサービスが提供できていない」と答えた人は、42・2%にのぼっています。
「仕事を辞めたい」と思ったことがある人は、55・3%と半数を超えています。
劣悪な労働条件と人材不足の原因は、社会保障費の自然増を毎年2200億円削減し続けている政府の「社会保障構造改革」路線があります。
介護保険法の改悪や障害者自立支援法の強行などで、政府は介護事業者に支払う報酬を引き下げ、介護労働者には低賃金など劣悪な労働条件を強いているため、離職者が増えつづけているのです。
このような事態を打開するためにも、抜本的な対策が求められています。
当面、2009年4月の介護報酬改定にあたっては、大幅な引き上げが求められます。
日本介護福祉士会は「介護労働者を守り日本の介護を良くするための署名」をおこない、呼びかけからわずか3カ月間で約14万人分に達しました。
政府は、この声に応えるべきです。
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