奮戦記
【08.05.05】非正規雇用対策のカギは“労働法制の規制強化”にある
政府の労働力調査によると、パートや派遣など非正規雇用の労働者の数は去年、前の年より55万人増えて1730万人余りにのぼりました。
これは過去最高で、働く人全体の3分の1を超えるに至っています。
政府の社会保障国民会議が6月にとりまとめる「中間報告」で、非正規雇用対策として「能力開発」「セーフティーネット」などを打ち出すそうです。
しかし、非正規雇用が増えたのは「能力開発が足りなかったから」という認識は違うのではないでしょうか。
これまでの労働法制の規制緩和と、大企業の雇用戦略に根本問題があるのです。
私たちは、日雇い派遣の深刻な労働実態を告発し、大企業の違法派遣を追及してきました。
このなかで、労働法制を規制緩和から規制強化に転換させる新しい動きが生まれています。
日本共産党国会議員団は、労働者派遣法の抜本的改正の提案をおこないました。
労働者派遣は、臨時的・一時的業務についておこなわれるものであり、常用代替としておこなってはならないという原則を確立しなければなりません。
労働者派遣を禁止する業務に、物の製造の業務を追加し、登録型派遣をおこなうことができる業務は、専門的業務(ソフトウェア開発、機械設計、通訳・翻訳など)に限定すべきです。
全体として、1999年以前の状態にもどすことが重要です。
大企業の製造現場では、国民世論の厳しい批判の前に、派遣労働者を期間工として直接雇用しはじめています。
しかし、雇用期間を最長2年11カ月に制限することが常態化しており、それが過ぎたら、「雇い止め」(解雇)を勝手におこなう理不尽なやり方をしています。
これは、労働基準法が有期雇用契約の上限を3年にしているからで、それを防ぐため、労働基準法を改正し期間の定めのある契約を制限すべきです。
福田内閣は、このような労働法制の規制強化によって働くルールを確立すべきです。──それなしに、いくら「能力開発」を叫んでも解決にはつながらないでしょう。
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