奮戦記
【08.03.13】衆議院本会議で討論/被爆者との懇談会/重税反対集会
今日は、忙しい一日でした。──12時から衆議院本会議がおこなわれ日銀人事について討論をおこない、13時から被爆者との懇談会に参加、13時30分からは重税反対中央各会代表者集会で挨拶をし、イギリスの経済雑誌のインタビューを受けました。
衆議院本会議で、日銀総裁・副総裁の国会同意人事について討論をおこないました
今日の衆議院本会議では、武藤敏郎副総裁の総裁昇格、伊藤隆敏東大大学院教授と白川方明京大教授(元日銀理事)の副総裁起用について、討論と採決がおこなわれました。
日本共産党は、3人の同意人事に「不同意」の態度をとりました。
その理由は、別項の私の「本会議討論」をご覧ください。
東海・北陸選出議員と被爆者の懇談会に出席し訴えをおききしました
広島、長崎で被爆してから62年も経っているのに、いまだにこんなに大変な苦労をしなければならないのは、政府に大きな責任があります。
昨年8月に、安倍前首相が「原爆認定のあり方を見直す」と支持し、厚労省は「原爆症認定審査の方針」を見直し、現在、「新しい審査の方針」(仮称・案)が提示されています。
ところがその内容は、被爆者ががんになってもすべてが認められない厳しい線引きがおこなわれたり、被爆者の集団訴訟で勝利判決が出ている肝機能障害や甲状腺機能低下症などについての扱いがあいまいなままになっています。
被爆者と支援の皆さんは、被爆実態に見合った幅広い疾病を積極的に認定の対象とすることなどを求めています。
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重税反対中央各界代表者会議に出席し国会情勢を報告しました
国会内で開かれた重税反対中央各界代表者会議に出席し国会報告をおこないました。
私は、今日から参議院で予算委員会が開かれるようになったこと、衆議院本会議で日銀総裁・副総裁の国会同意人事の採決がおこなわれたこと、さらに税制をめぐる論戦をおこなったこと、などを報告しました。
イギリスの雑誌「ザ・バンカー」のインタビューを受けました
イギリスの雑誌「ザ・バンカー」のインタビューを受けました。
インタビューのテーマは、郵政民営化で生まれた“ゆうちょ銀行”についてです。
日銀同意人事についての本会議での討論
日本共産党を代表し、日本銀行総裁・副総裁の国会同意人事に対する討論をおこないます。
日本銀行は、通貨・金融政策の最高の意思決定機関であります。その総裁・副総裁は、金融に関する専門的知識をそなえ、国民的視点に立ち、一定の自主性・機動性をもって的確な政策判断ができる人物でなければなりません。
この立場から、今回提示された人事案に対する見解を述べます。
まず、武藤敏郎副総裁の総裁昇格案についてです。武藤氏は、2000年から大蔵省・財務省の事務次官をつとめ、5年前に日銀副総裁に就任しました。
この間、貧困と格差を拡大してきた「構造改革」路線・経済財政政策に重大な責任を負ってきた方であります。日銀の副総裁となってからは、不良債権処理を加速化させる政府の政策を後押しし、数多くの中小企業を廃業・倒産の危機に追い込む要因をつくったのであります。アメリカの圧力のもと、ゼロ金利政策や超金融緩和策などで日本の金融をきわめて異常な状態にしてきた責任も重大です。
一昨日、議院運営委員会の質疑で、私は、1985年9月の「プラザ合意」後にとられた超低金利政策について、武藤氏の見解をただしました。当時、政府・日銀は、アメリカのドル高是正に協力する円高誘導政策とともに、公定歩合を5%から2.5%に引き下げ、それを2年間も続けたのであります。それがバブルをあおり、家計所得を奪ったことは、誰も否定できない事実であります。
ところが武藤氏は、聴聞で「低金利と公共投資拡大という政策は正しかった」との態度を表明したのであります。これは、国民生活と日本経済を重大な事態に陥れた政策上の反省が全くないことを示すものであります。
また、武藤氏が財務次官だった2002年12月、財務省が日銀にたいし、国債の買い入れ増を要請し、そのため、こともあろうに日銀券発行の歯止めをはずすことを求めたのであります。財政規律からみても、日銀の役割にも重大な疑問を投げかけるこの行為について、武藤氏は、「デフレスパイラルをただすためにあらゆることをやる。まっとうだと言えないこと、異例だということをやることもある」と述べたのであります。
さらに武藤氏は、社会保障費抑制路線を推進してきたことも、問題です。武藤氏が財務事務次官としてかかわった2002年度予算で、社会保障の自然増を3000億円抑制し、それを契機に社会保障の自然増を毎年2200億円圧縮する路線が敷かれたのであります。
一昨日の質疑で武藤氏は、これを当然視し財務省の事務方のトップとしてやってきた国民犠牲の政策について、まったく反省がなかったのであります。
このような方が「国民経済の健全な発展」を責務とする日銀総裁にふさわしくないことは明白です。
なお、伊藤隆敏氏についていえば、経済財政諮問会議の民間4議員の1人として、財界代表メンバーとともに弱肉強食の「構造改革」論を推進してきた方であります。また、インフレターゲットの導入を強く主張してきました。この主張は、日本経済を危険な事態に導きかねないものであります。したがって、伊藤氏を副総裁に任命することは、到底、認めるわけにはいきません。
白川氏は、日本銀行の理事として、ゼロ金利政策や量的緩和政策の一端を担ってきた経緯があり、日銀・政府の金融政策への明確な批判的見地を見いだすことができません。従来の枠を出ることが明白でない以上、副総裁として賛成し難いものがあります。
最後にひとこと申し上げたい。――この間、政府は、提案した人事案を飲むよう野党にもとめ、日銀総裁に「空白が生じてもいいのか」と非難してきました。しかし、出された人事案に賛否の態度を明らかにするのが議会・議員の役割であります。「賛成しないのはけしからん」というなら、議会は成り立ちません。
そのような威圧的な態度をあらため、野党が「賛成できる」案を提示することこそ、政府のなすべき対応であります。このことを指摘して、討論を終わります。
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