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奮戦記

【08.03.12】日銀総裁・副総裁候補に反対した理由/後期高齢者医療制度の廃止を

   今日の参議院本会議で、政府が提示した次期日銀正副総裁人事案を採決しました。

 その結果、武藤敏郎副総裁の総裁昇格と伊藤隆敏東大大学院教授の副総裁起用については、野党4党の反対多数で否決されました。
武藤総裁案は賛成106票、反対129票。伊藤副総裁案は賛成105票、反対132票でした。
 副総裁候補の白川方明京大教授(元日銀理事)については、日本共産党以外の会派の賛成で可決されました。
 今日、夕方開かれた衆議院の議院運営委員会の理事会では、明日、衆議院本会議を開き人事案の採決をおこなうことが決まりました。

   衆議院では与党が多数ですから、明日の本会議では3名とも同意される見通しです。

 しかし、同意人事は、衆参どちらか一院が不同意であれば国会として否決されたことになります。
 したがって、3名のうち白川氏のみが国会で同意されることになります。
 日銀正副総裁人事の否決は1998年4月の改正日銀法の施行以来、初めてのことです。

 私たちが、武藤総裁、白川・伊藤両副総裁のいずれにも反対した理由については、別項をご覧下さい。

後期高齢者医療制度の廃止をもとめる要請を受けました

   愛知県保険医協会(萩野高敏理事長)の代表から「後期高齢者医療制度の実施中止を求める要請」を受けました。

 制度を知った高齢者から「すくない年金から保険料天引きはひどい」「これまでの医療を受けられない」「老人は早く死ねというのか」など、怒りの声が日増しに高まっています。
 特定の年齢を境に、受けられる医療内容に差別が設けられる世界にも例を見ない非人道的な制度だからです。

 続いて、愛知県社会保障推進協議会(徳田秋議長)の代表から、「後期高齢者医療制度の中止・撤回についての要請」を受けました。
 2月28日に、民主党、日本共産党、社民党、国民新党の野党4党が提出した「後期高齢者医療制度等廃止法案」の一日も早く審議を開始し成立させるよう要請を受けました。

私たちが、武藤総裁、白川・伊藤両副総裁のいずれにも反対した理由

 ◆武藤敏郎氏は、2002年から大蔵・財務事務次官をつとめ、5年前に日銀副総裁に就任しました。
 この間、貧困と格差拡大をもたらした政府の「構造改革」路線・経済財政政策に重大な責任のある人物です。
 また、日銀副総裁として政府の施策を後押し、不良債権処理を加速化させ中小企業を倒産・経営難に追い込みました。
 さらに、アメリカの圧力ともあいまって、ゼロ金利政策や超金融緩和策などで日本の金融を異常な状態にしてきた責任も重大です。
 こうした人物が「国民経済の健全な発展」を責務とする日銀総裁にふさわしくないことは明白です。

   ◆白川方明氏は、34年間日銀につとめたプロパーであり、2002年から4年間、日銀理事をつとめ、現在、京都大学公共政策大学院の教授です。

 この間、日銀は、不良債権処理の加速化など政府の施策を後押しするとともに、アメリカの圧力ともあいまって、ゼロ金利政策や超金融緩和策など日本の金融を異常な状態にしてきました。
 白川氏は、インフレターゲット政策導入には否定的な姿勢を示したものの、この間日銀が実施してきた異常な金融政策などについて明確な批判的見地をとっているとはみえません。
 日銀の超低金利政策は、300兆円を超える国民の預貯金利子を奪い、家計消費を冷え込ませる一つの要因となりました。
 白川氏は、日本銀行の理事として、これらゼロ金利政策や量的緩和政策の一端を担ってきた経緯があります。
 こうした日銀の金融政策の枠から出ることができない以上、副総裁としては賛成し難いものがあります。

 ◆伊藤隆敏氏は、現在、東京大学大学院経済学研究科兼公共政策大学院教授を務め、一昨年秋の安倍内閣以来、経済財政諮問会議の議員となっています。
 伊藤氏は、諮問会議で民間4議員の1人として、財界代表メンバーとともに弱肉強食の「構造改革」論を推進してきた人物です。
 「グローバル化改革」を唱え、多国籍大企業の国際競争力強化のため、農産物市場の開放など国内産業切捨てを当然視する立場をとってきました。
 日銀副総裁としても、従来の主張のまま金融政策にあたると述べており、市場の競争原理促進の姿勢を崩していません。
 伊藤氏は、バブル崩壊後のデフレの発生は「政府・日本銀行の金融政策の失敗」によるものだとして、2000年のゼロ金利の一時解除や小出しの金融政策を批判し、デフレ状況を打破するためにインフレターゲットの導入を強く主張してきました。
 私たちは、このようなインフレターゲット政策が実行されれば、「日本経済はいよいよ危機的な事態に陥ることになる」と強く批判してきました。
 こうした考え方をとる伊藤氏を副総裁に任命することは、到底、認められません。

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