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奮戦記

【08.02.11】「総額方式」──なぜ道路整備にだけ残ったのか?

   かつて1990年代には、630兆円もの税金を公共事業に投入する「公共投資基本計画」(1995〜2007年)がありました(それ以前には1991年から2000年までの10年間を対象に430兆円の計画があった)。
 これは、アメリカの圧力のもとでつくられたものです。
 それに沿って治山治水、森林、河川など16本もの「長期計画」がすすめられてきました。
 「公共投資基本計画」は、国民の必要からではなく、”総額先にありき”で決められた、むだと浪費の奨励計画ともいえるもので、今日の財政破たんの根源となりました。

   この「公共投資基本計画」は、2002年に小泉内閣が閣議決定(1月25日)した「構造改革と経済財政の中期展望」で「廃止」されました。
 2003年につくられた「社会資本整備重点計画法」では、国土交通省関連の「長期計画」が一本化され、あらかじめ計画の総額を決める「総額方式」は“原則として”すべてなくなったのです。
 ところが、ひとつだけ残りました。いまでも、総額方式を採用しているのが「道路整備計画」です。
 なぜ道路整備計画にだけ「総額方式」が残ったのでしょうか。

   その理由は、ガソリン税などの自動車関連の税金を、全額道路整備だけに使う仕組み=道路特定財源があるからです。
 政府・与党は、昨年末の合意で、「道路中期計画」を「59兆円を上限にする」と決めました。
 国土交通省の「道路中期計画(素案)」によれば、大部分が高速道路などの高規格幹線道路の整備費となっています。
 これは、高規格幹線道路を全国に1万4000キロも張り巡らす計画なのです。
 この距離は、バブルに突入する1987年の「第四次全国総合開発計画」で決められたもので、それまでの計画を倍にふくらませた規模となっています。

 こんなことでよいのでしょうか。
 道路特定財源という仕組みを根本的に見直し、一般財源化すべきです。
 道路にしか使えない方式を改めて、道路にも社会保障にも財源を振り向けることができるようにすること、総額方式をやめ生活関連公共事業に重点を移すべきです。

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