奮戦記
【07.12.30】常軌を逸した与党の奇襲作戦!──日切れ法案の一括先行処理
今日のネットニュース産経新聞によると、政府・与党は、とんでもない奇襲作戦を考えているようです。
1月18召集予定の通常国会の運営について、政府・与党は今年度末で期限切れとなる歳入関連法案(日切れ法案)43本を一括して1月24日から衆院財務金融委員会で審議し、29日に衆院通過させる方針を固めたというのです。
参院送付後60日間で否決とする「みなし否決」規定(憲法59条)を利用して、3月末までに衆院で再議決できるようにするというのです。
しかし、新年度の予算案本体より日切れ法案を先に処理するのは、きわめて異例であり常軌を逸しています。
ほんらいなら、国会冒頭の1月18日に、福田首相の施政方針演説と財政・外交・経済の「政府4演説」が実施され、21〜23日に衆参本会議で代表質問が行われ、その後に補正予算案や来年度予算案を審議し、2月の下旬から歳入・歳出の予算関連法案を衆院各委員会で審議するというのが手順です。
なぜなら、首相の施政方針に基づいて予算のあり方を予算委員会で議論し、それに続いて必要な税制をどうするかを審議するというのが、順序として当たり前だからです。
これを、逆にするというのは、“家を造るのに屋根葺きから始める”ようなものです。
伝えられる作戦は、次のようなものです。
日切れ法案は例年、財務金融、国土交通、経済産業など各委員会で審議するのですが、今回はパッケージ化して財務金融委で一括審議する(これ自体異例なことです)。
1月24日からは衆院予算委で補正予算案審議も始まるため、両委員会に閣僚が出席できるよう、日中は予算委、夕方から夜にかけては財務金融委という「2階建て」審議を行い、29日の衆院本会議で補正予算案と同時に可決する、というのです。
日切れ法案が3月末までに成立しなければ、4月1日からガソリンにかかる揮発油税が1リットル当たり約25円下がるからだというのです。──下がってもいいではありませんか。
いよいよ、1月の常会冒頭から国会は荒れ模様となりそうです。
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