奮戦記
【07.12.29】政治資金監査制度について──必要か?無駄遣いか?
Yahoo!みんなの政治のみんなの評価の欄に、「今の政治に信用がないので政治資金規正―監査制度はムダづかいとは思いません」「どうなのですか?!」という問いかけがありました。
──そのため、ここで少し詳しく述べておきたいと思います。
まず、今回の政治資金規正法の改正では、「対象となる団体」が国会議員関係団体(資金管理団体や後援会など)に限定されました。
私たちは、「すべての政治団体(政党を含む)を対象にすべきだ」と主張したのですが、「まずはここからだ」という自民党の主張でそうなりました。そのため、政党や他の政治団体は今回の対象から外されました。
次に、公開についてです。──これまでは、政治資金収支報告書に詳細を記入して領収書のコピーを添付して提出するのは5万円を超えるものだけでしたが、今回の改正では1万円を超えるものとなり、対象が広がりました。
しかし、それ以下(1円から1万円未満)の領収書については政治団体が保有し、公開を求められれば、原則としてすべての領収書が公開されることとなりました。
「原則として」という意味は、国民が総務省に公開の請求をしたさい、「公序良俗に反しない」などの「基準」にてらして、公開するかどうかを判断することになるからです。
私たちは、そのような「基準」をわざわざつくって、公開を阻むようなことをする必要はないと主張したのですが。……
しかも、その公開の「基準」等をつくるために、新たに政治資金適正化委員会を設置するというのです。
また、登録監査人制度をつくって、監査人が報告書に数字の間違いがないかどうか、あらかじめ領収書と照らしてチェックする仕組みもつくりました。
私は、「1円以上の領収書をその団体が責任を持って公開すればそれでよい。国民が、それをみて判断するのが基本であって、わざわざ、国民と政治団体のあいだに第三者機関のようなものをつくってフィルターをかけたりチェックする必要はない」と主張し、この仕組みをつくるために10数億円もの予算をかけるのは「ムダづかいだ」と言ったのです。
政治資金の収支は、ありのままに広く公開して国民の不断の監視のもとに置くことが基本であり、収支報告書の監査など、そもそも必要ないと指摘したのは、そのためです。
なお、問いかけに「あなたが監視されたくないような事があるからですか?」とありましたが、そのようなことは一切ありません。
重大なことは、政党交付金の1円からの公開について、先送りされたことです。
政党交付金は、国民の税金を原資とした政治資金そのものであり、それを受け取っている政党は、収入の6割から8割も占めています。国民に使途を全面公開するのは当然です。
しかし、今度は、政党交付金の支出については、全面公開の対象から除外するというのです。これは、著しくバランスを欠いています。
もともと、政党交付金の支出の全面公開については、自民党も公明党も賛成でした。ところが、土壇場になって自民党が「一致していない」などと言い出して、先送りしてしまったのです。
このことは、厳しく指摘しなければなりません。
「政治とカネ」をめぐって、いちばん大きな問題は、企業団体献金や政党助成金など政治資金の「入り」の面です。
政官財ゆ着をはじめ政治を歪める事件は、しばしばそこから起こってきました。
私たちは今後とも、国民の立場にたって、企業・団体献金禁止と政党助成制度廃止という主張をつらぬきます。
なお、私のインタビューもご覧ください
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