奮戦記
【07.06.22】国会会期延長――本会議で自民・公明が採決を強行
今日、午後1時から開かれた衆院本会議で、23日までの今国会の会期を7月5日まで12日間延長する議決を、自民、公明両党の賛成多数で強行しました。
通常国会の会期延長は、国会法で1回しか認められておらず、参院選は7月12日公示、29日投開票となることが決まりました。
参院選直前の通常国会の会期が延長されるのは、1998年以来となります。
日本共産党代表して、会期延長に反対する討論を行ったのは、穀田恵二国対委員長です。以下その内容をご紹介しましょう。
私は、日本共産党を代表して、第166通常国会の会期を12日間延長することに反対の討論を行います。
自民・公明両党は、「議案の審議状況に鑑み」会期延長が必要だといいますが、今回の延長は、安倍総理の指示をうけ、残された悪法の成立を強行するためのものであり、断じて認められません。
今国会ほど、多数議席をしめる与党が数を頼んで強行採決を連発して、議会制民主主義をふみにじった国会はありません。
わが国の議会政治史上に重大な汚点をのこす「暴走国会」「問答無用国会」といっても過言ではありません。
まず冒頭の2月2日、補正予算を通すための予算委員会を与党単独で開会し、与党だけの出席で強行採決し、続いて本会議、さらに参院の予算委員会、本会議とつぎつぎと与党単独の強行採決を行うという、前代未聞の暴挙ではじまりました。
つづいて、総予算と国税・地方税法も強行採決し、さらに、改憲手続法、米軍再編特措法、教育関連3法、イラク派兵特措法など、いずれも憲法原則にかかわる重大な法案を、与党が一方的に審議を打ち切り、問答無用とばかりに強行採決を重ねてきたのであります。
そのうえ、事実上、確定していた参院通常選挙の日程まで変更して、残りの悪法を成立させようというのであります。横暴のきわみ、言語道断であります。
安倍総理が、何がなんでも通すといっている法案はとんでもないものばかりです。
国家公務員法案は、従来の最低限の天下り規制を撤廃し、「官民人材交流センター」という政府公認の機関で天下りを推進する、まさに天下り自由化法であります。にもかかわらず、総理は「談合を根絶せよ、天下りを一掃せよという国民の声にこたえるものだ」というのであります。国民を愚弄するも甚だしいといわねばなりません。
政治資金規正法の改正も発端となった事務所費問題の真相解明を棚上げし、制度いじりにすりかえ、疑惑にフタをするものにほかなりません。
社会保険庁解体・民営化法案は、消えた年金、宙に浮いた5千万件の年金記録など、ずさんな記録の管理をめぐって国民の不安がひろがり、その解決が焦眉の課題となっているときに、その実態解明もつくさないまま、肝心の社会保険庁を解体してしまったのでは、どうして国民の年金受給権をまもるという、国の責任を果たせますか。最悪の責任逃れでしかありません。
しかも法案は、保険料の流用を恒久化し、保険料の徴収だけは強化するものであります。
「法案を凍結して、消えた年金問題の解決に全力をつくせ」という国民多数の声にこそ耳をかたむけるべきであります。
昨日の与野党国対委員長会談で与党側は「今回は、年金問題が起こり、それに関する審議も必要だ」と発言しましたが、年金特例法案は、総理指示で突如として与党提案の議員立法として提出され、その翌日、たった四時間の審議で強行したのであります。
このとき、国民の批判に耐え得る十分な審議をつくさなかったから、その後も政府の対応は後手後手で、国民の不安を解消できず、法案は審議未了のまま会期末をむかえたのであります。
政府与党は、この事実をしっかりと認識し、わが国国会の「会期制」の原則にしたがって、決められた百五十日間で会期を閉じるべきであります。
国会法は、「会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない」ことを基本としています。
会期末になっても審議が終わらない法案を成立させるため、政府と与党が勝手に土俵をひろげるなら、国会は、政府の「悪法追認機関」になり下がってしまうではありませんか。
今回、看過できない重大な問題は、総理は「国民のために延長を判断した」といいますが、実際には、消えた年金問題に対する国民の強い怒り、住民税増税に対する国民の怒りを鎮静化する時間が必要だ、とか、夏休みに投票日をずらせば投票率は下がる、といった議論が公然とされていることです。
これほど国民を馬鹿にした話はありません。こうした党利党略は、必ずや国民のきびしい審判を受けるでありましょう。
以上、安倍内閣と自民・公明両党による党利党略の会期延長に断固反対し、討論を終わります。