奮戦記
【07.03.04】強行採決のあった衆院予算委の様子はどうだったか
私の事務所に、こんなメールが来ました。……
「自・公の強行採決は従来と少しも変わらないと怒りを覚えますが、あのとき自・民のウラ取引はあったのでしょうか」と。
確かに、早々に「公聴会」の日程を決めたウラには、何かがあったように思われますが、今回の強行採決については、私たちが実際に現場でみている限りでは、自民・民主のあいだでシナリオがあったようには感じませんでした。
具体的に振り返ると……
3月2日は、朝から全てのテレビが配置され、カメラマンもずっと待機していました。
また議員の傍聴も、午前中から与野党ともかなりの人数がきていました。
もちろん、午後になって次第に増えましたが。
民主党が、「欠席戦術」をとらず、「通告はしていないが、質問をさせろ」という新しい戦術をとったことにたいして、与党側がどう対応するのか見てみようという感じがあったからだと思います。
午前の一般質疑のさい、野党側が「内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁のため出席をもとめられたときは、出席しなければならない」という憲法63条を委員長などに示したこともあって、結局、大臣を呼び出して、質疑が再開されました。
午後の質疑は、与党側が「締め括り総括質疑」と位置づけていますから、大臣がすべて揃っています。
民主党や日本共産党は、「採決を前提にした締め総には応じられない」と主張しました。
しかし、委員長に「採決を前提にしないと言えば、我々は質疑に入る。その後、質疑打ち切り動議を出すかどうかはあなた方の判断だ。我々は、そうしたやり方に反対だが」といいました。――野党は、発言通告を用意し、わが党は「組み換え動議」も提出しました。
そのような状況下で、予算委員長が与党筆頭理事を呼んで、「一度休憩にして、与野党とも国対と相談したらどうか」といったのです。
しかし、与党理事は、「できない」の一点張りでした。
与党筆頭理事が席を立って委員長席に来た時だけ、速記をとめるような変則的な事態が繰り返されました。
そのうち、予算委員長が与党筆頭理事に呼びかけても、与党理事はまったく動こうとしなくなりました。委員長は「与党理事は冷たい」などと言いながら、そのまま時間だけが過ぎていきました。
今度は、委員長が自民党の国対に呼び出されました。たぶん、「揺らぐな。とにかく時間通りにあげろ」と指示を受けたのだと思います。
その後、質疑時間が経過したという理由で、委員長による「質疑終局」宣言が一方的におこなわれ、強行採決が行われたのです。
採決の直前に、与党理事が与党席を回って、採決の手順を話していました。
しかし、起立の合図をする理事が間違えて、わが党の「組み換え動議」にまで与党多数で賛成してしまったのです。――それほど、混乱していたということです。
この状況をみると、自民と民主でシナリオをつくって、強行採決が行われたとは思えません。
結局、与党が、「午後の質疑をさせない」という対応をとったのは、通告もない質疑で安倍総理が“答弁に窮する”事態をさけたかったためではないでしょうか。
昨日の「奮戦記」にも書きましたが、今回は、民主党が最後の土壇場の本会議で、腰砕けになってしまいました。
自民党も、安倍内閣のボロが次々と出て、どうにもならないところまで来ている感じです。
いよいよ、日本共産党が、確かな野党としてがんばらなければなりません。