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奮戦記

【07.03.02】深夜の本会議で与党が来年度予算案の採決を強行!

写真 3月2日の午後、与野党間で合意のないまま、開会された衆院予算委員会で、2007年度予算案の採決を強行しました。
 続いて衆院本会議の開会も強行し、3日未明に、与党多数の賛成で衆議院を通過させました。与党が一方的に予算案を強行採決したのは1989年以来のことです。
 私は、このような強引なやり方に厳しく抗議し、野党側が提案した金子一義予算委員長解任決議案に、賛成の討論をおこないました。――日本共産党など野党側が求めていた徹底審議の声を踏みにじり、“採決先にありき”で数の力の暴走を重ねるやり方に怒りを覚えます。

写真 金子委員長は3月1日、委員長の職権で2日に締めくくり総括質疑と採決を行うことを一方的に決定しました。
 私は、2日の予算委理事会で、以下の3点を主張し、委員長職権による委員会開会を撤回し審議を尽くすべきだといいました。

(1)審議時間が例年に比べ極端に短い、
(2)野党側が求めているキヤノンの御手洗冨士夫会長と、佐田玄一郎前行革担当相の参考人招致に与党側が応じていない、
(3)集中審議が2回しか開かれていない……。

写真 予算委員会では、金子委員長が、2日5時30分、一方的に質疑終局を宣言、委員長席に与野党議員が駆け寄って抗議し、第一委員室は騒然となりました。
 金子委員長は討論も省略し、委員長の「採決」の声が聞き取れないなか、自民・公明の与党議員が起立し、「採決」されました。

写真 与党側は、予算案関連の所得税法改悪案などを審議する衆院財務金融委員会と、地方交付税法改悪案などを審議する衆院総務委員会でも、それぞれ委員長の職権で開会、採決を強行しました。
 3つの委員会で、委員長職権で強行採決されたのは例がありません。
 野党側は、一方的な審議・採決に抗議し、金子一義予算委員長、佐藤勉総務委員長、伊藤達也財務金融委員長の解任決議案を提出しました。

金子一義君解任決議案の賛成討論

 私が、本会議でおこなった予算委員長 金子一義君解任決議案の賛成討論は、以下の通りです。

 私は、日本共産党を代表して、予算委員長金子一義君解任決議案に賛成の討論を行ないます。
 金子一義君は、予算委員長として、国民生活に重大な影響をあたえる2007年度総予算3案の十分な審議を保障し、円満な委員会運営をおこなうべき職責にありながら、昨日、与野党の合意のないまま、自民・公明両与党の要求につき従って、委員長職権で委員会を一方的に設定し、質疑続行をもとめる野党各党の声を無視し、2007年度総予算3案の採決を強行する暴挙を行なったものであります。
 金子委員長の行為は、与野党合意にもとづく円満な運営に資するべき予算委員長の職責を投げ捨て、きわめて乱暴に議会制民主主義を踏みにじったものであり、断じて容認できません。委員長の資格はありません。直ちに解任することを断固として求めるものであります。
 今国会、予算審議はかつてなく重要な意味をもっていました。
 第一に問われたのは、「貧困と格差」の問題がいっそう深刻になっているもとで、国民生活関連予算をどう充実するのかであります。「庶民には増税、大企業と資産家には大幅な減税」を行う予算を抜本的に組替え、「貧困と格差」、日本の経済・社会のゆがみを是正することが重要な課題となっていたのであります。同時に、事務所費問題をはじめとする「政治とカネ」の問題、さらには、安倍内閣が公然とかかげる憲法改正、イラクへの自衛隊派兵や米軍再編が重大な焦点となったのであります。

写真 そのもとで、国会冒頭、補正予算審議の直前、柳沢厚生労働大臣の暴言が発覚しました。「女性は産む機械」「一人頭で頑張ってもらうしかない」という柳沢発言は、女性の人格と尊厳をふみにじり、「少子化」の責任を女性だけに押しつけるとんでもない暴言であり、閣僚罷免をもとめる世論が起きたのは当然でした。安倍総理の任命責任がきびしく問われたのであります。
 ところが、安倍総理は「反省している」と柳沢氏をかばいつづけ審議が空転するもとで、わが党は、国会の不正常な事態を打開し、すべての党が審議に参加できる条件を作るべきだと主張しました。
 ところが、金子委員長は、その努力をまったく放棄し、自民公明両党とともに一方的に与党単独の補正予算審議を強行し、採決まで強引におしすすめたのであります。自民・公明両党が、衆参両院の予算委員会から本会議まで、すべての補正予算審議と採決を与党だけで強行するという、かつてない暴挙をおこない、重大な国会の不正常な事態をつくりだしました。

 その後の与野党協議によって、「補正予算の補充質疑」を行なうことで予算審議が正常化しました。その際、金子委員長は「今後は円満な運営を行ないたい」と釈明したのであります。この言明をいっさい無視して今回、強行採決にはしったものであり、金子委員長の「罪」はきわめて重大であります。
 昨日の審議をみるならば、わが党の提出した「抜本的な組替え動議」を、与党の賛成多数で可決したのであります。それなら、すみやかに二〇〇七年度政府予算案を、ただちに組み替えるべきではありませんか。
 さて、この間、予算委員会で何を協議してきたのか。
 私たちは、充実した予算審議とするために、十分な審議時間を確保すること、「雇用労働」「地域格差」「政治とカネ」などのテーマで集中審議をおこなうこと、御手洗日本経団連会長の参考人招致と佐田前行革担当大臣の証人喚問などについて協議をつづけてきたのであります。

写真 しかるに与党側は、28日の与党幹事長会談で、年度内成立のため、何が何でも2日中に予算案の採決をやらなければならないと決め、それをうけ、一昨日、朝の理事会から与党側は、突如として締めくくり質疑・採決を主張し、金子委員長は、そうした与党の意向を唯々諾々とのみ、それまでの話し合いを一方的に断ち切り、委員会を職権で設定したのであります。
 私たちは、このやり方にきびしく抗議し、白紙にもどして誠実に協議せよともとめてきました。予算委員部調べでは、3月1日までの総予算審議時間は、わずか60時間余り、例年の3分の2にすぎません。
 ところが金子委員長はいっさい聞く耳をもたず、昨日、委員会開会を宣言したのであります。私たちが、こうした与野党合意のない一方的な委員会開会にきびしく抗議したのは当然であります。
 私たちは、国民の期待にこたえる十分な審議をもとめているのであります。審議を拒否しているのではありません。

写真 だから、昨日、私たちは、職権で一方的に設定された質疑日程を金子委員長がすすめたもとで、質疑通告を行ない、要求大臣の出席をもとめたのであります。ところが、金子委員長と与党側は、前日に通告がなかったなどという理由にならない理由で要求大臣の出席に応じず、財務大臣の範囲での審議を強要しようとしました。
 そのうえ「採決」を前提にした「締めくくり質疑」を押しつけたのであります。これが昨日の予算委員会の混乱に拍車をかけたのであります。
 憲法63条は、内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁のため出席をもとめられたときは、出席しなければならない、と明記しています。憲法規定をもふみにじって答弁要求に応じず、議員の質疑権を侵害して恥じない、金子委員長と政府与党の態度をきびしく批判するものであります。
 予算審議で焦点となってきた、格差と貧困の問題も、雇用やワーキングプアーの問題も、「政治とカネ」の問題も、まだまだ質疑しなければならないことは山積しています。徹底審議こそが求められているのであります。自民・公明両党と金子委員長による予算案強行採決に断固として抗議するものであります。
 以上、金子一義予算委員長の解任決議に賛成する討論を終わります。



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