アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

奮戦記

【06.12.23】近著『変貌する財界』で、私たちが伝えたかったこと

写真 昨年の秋、日本共産党国会議員団のなかで、連続的に「小泉“改革”勉強会」を開き、さまざまな角度から財界支配と政治の動向を分析しました。

 来年1月17日に、新日本出版社から出版される『変貌する財界――日本経団連の分析』には、その集団的研究の成果の一部が盛り込まれています。

 国民を“勝ち組”と“負け組”に分け、人間の尊厳を奪うような“格差社会”を生みだす根源にある経済構造とは何か、それを加速した日本の政策決定過程はどのような仕組みになっているのか。

 それらを明らかにするためには、日本経済のうえに君臨する“財界総本山”ともいうべき日本経団連がどのような変貌をとげたか、財界の意向をどう政治に反映させようとしてきたか、その結果、政府・与党の政策決定メカニズムがどのように変えられたのか。……これらの調査と分析がもとめられます。

写真 結論から言えば、財界が日米多国籍企業の共同の利益を追求する団体に変貌をとげたこと、打ち出される政策が新自由主義(「構造改革」路線)に切り替わったこと、これらが根本にあります。

 そのうえで、その意向を政治・行政にストレートに反映させる仕掛けづくりとして行政・政治「改革」がおこなわれ、行政も与党も“利害調整”型からトップ・ダウン型に、次第にその仕組みを変えつつあることでした。

 露骨な財界奉仕と庶民に対する無慈悲な収奪の根源にあるのは、そのような構造変化であり、それは、新自由主義の路線を受け継ぐ限り、首相が交代したからといってただちに修正されるような性格のものではありません。

写真 安倍晋三首相は、「改憲」、「経済成長」、「イノベーション」という政策をはっきりとかかげ、それを実行する“首相官邸”による強力なリーダーシップを唱えています。

 安倍氏よりも、一歩先んじて“財界総理”におさまった日本経団連会長の御手洗冨士夫氏は、今年8月、日本記者クラブで「“希望の国”を目指して」と題する講演をおこない、財界の意向をストレートに反映するようになった与党・自民党の変化を礼賛しています。

 注目したいのは、御手洗氏の「希望の国」を安倍首相の「美しい国」に置き換え、日本経団連の「政策提言」を安倍内閣の「基本方針」に置き換えれば、安倍内閣の政策はすべて“完成”するということです。

写真 「首相官邸」の背後で、内閣を事実上動かしているのは日本経団連でした。

 私たちの着眼点は「官邸支配」ではなく、「財界支配」でなければなりません。

 しかし、新自由主義にもとづくその政策は、保守層を含む広範な国民との新たな対立をつくりだすことになり、必ずや政治的激動をもたらすこととなるに違いありません。

 ――これが、読者に伝えたかった私たち筆者の思いです。



……!!

写真

Share (facebook)

このページの先頭にもどる