奮戦記
【06.09.04】“抜け穴だらけ”の貸金業規制法改正案でいいのか!
「朝日新聞」などの報道で、金融庁が自民党金融調査会に提出した貸金業規制法などの改正案の内容が明らかになりました。
それによると、施行から3年後に、出資法の上限金利を29・2%から20%に引き下げ、上限金利を利息制限法の上限(元本に応じて年15〜20%)に一本化するとしていますが、さまざまな問題を含んでいます。
たとえば、利息制限法の上限金利を超えるグレーゾーン金利を撤廃するまでの3年間は、超過分の支払いは義務ではないことを契約書に明記させるとしています。
しかし契約時に、業者が借り手より優位にあるため借り手が「任意の支払い」を断るのは難しいのが実態です。
そうなると、借り手が払った上限金利を超える支払いは「任意の支払い」とみなされ、「あとで返還請求が難しくなる」危険があり、現状よりも後退する恐れがあります。
また、少額・短期の融資のばあいは特例で「高金利を認める」としていますが、この特例は、個人向けが「元本50万円まで、期間1年以内」と「30万円、半年以内」の両案あり、2〜3社からの借り入れを認めるとしています。
さらに、事業者向けの特例では「500万円、3カ月以内」で、他に通常借り入れがあっても適用できるとしていますが、現在でも事業者向けの名目で、会社員や主婦に貸し付ける悪質な業者がいますので、この「特例」が悪用される恐れもあるのです。
こう見てくると、貸金業の規制とはいっても、金融庁の案は、まったく抜け穴だらけではありませんか。