奮戦記
【06.07.31】違法な「偽装請負」労働が製造業で横行している!
今日の「朝日新聞」によりますと、大手製造業の工場で「偽装請負」と呼ばれる違法な労働形態が広がっていると報道されています。
しかも、「この3年で労働局から違法と認定された企業の中には、キヤノン、日立製作所など日本を代表する企業の名もある」というのです。
偽装請負とは、メーカーなどの企業が、人材会社から労働者の派遣を受けているのに、形式上は「請負」と偽り、労働者の使用にともなうさまざまな責任を免れようとする行為で、職業安定法や労働者派遣法に違反するものです。
その現場で働く労働者の多くは、20〜30代半ばで、ボーナスや昇給はほとんどありません。また、賃金は正社員の半分以下で、社会保険の加入さえ徹底されず、契約が打ち切られればただちに失業の危機にさらされます。
メーカーにとっては、「外部から受け入れた労働者を低賃金で、安全責任もあいまいなまま使えるうえ、要らなくなったら簡単にクビを切れる好都合な仕組み」となっています。
全国の労働局が2年ほど前から立ち入り調査を強化していますが、昨年度だけで請負を発注した660社のうち、半分以上の358社で偽装請負に絡む問題が発覚し、文書指導をしています。
「朝日新聞」によりますと、「これまで偽装の実態が知られなかったのは、労働局が指導先の企業名を公表してこなかったからだ」と指摘しています。
「朝日」が独自に調べたところ、この2、3年の違反例だけでも、日本を代表するメーカーが次々と見つかりました。
大分キヤノンは昨夏、偽装請負があったとして大分労働局から改善指導を受けたにもかかわらず、1年たった今も、違法状態は完全には解消できていないそうです。
キヤノンは、日本経団連の会長を出している企業です。このような違法状態を直ちに根絶するのが当然ではないでしょうか。
指摘を受けたキヤノンは、年内をめどに請負業者との契約を見直し派遣に切り替えるなど、偽装請負の解消をめざした対策に取り組むそうです。
8月1日付で内田恒二社長を委員長とする「外部要員管理適正化委員会」を設置すると言います。また、グループ全体で2万人以上いる請負や派遣労働者のうち、数百人を正社員に採用する方針だといいます。