奮戦記
【06.01.26】BSE――こんなに緩い“抜き取り検査”だったのか?
今日の予算委員会でも、BSE危険部位が取りのぞかれていない米国産牛肉が、日本の輸入検疫で発見された問題が取り上げられました。
「しんぶん赤旗」の報道によりますと、農林水産省と厚生労働省がそれぞれおこなっている輸入時の抜き取り検査基準が緩く、背骨などが発見されずに輸入されていた恐れがあるということです。
農水省動物衛生課によると、農水省の抜き取り検査基準は輸入量の0・5%を目安に開箱し、目視でチェックするだけなのです。
厚労省の検査基準も、段ボール数に応じて抜き取り数が定められており、50箱以下では開箱数はわずか12箱です。
両省の開箱検査では3つの箱から脊柱の混入がわかり、38箱には脊柱混入がなかったとしています。
農水省によると、昨年12月の輸入再開から禁輸した1月20日までに届け出があった米国産牛肉・内臓肉は約1.5トンで、ほとんどが市場に出回っています。
そのことについて、政府はどう対応するつもりでしょうか。
安倍晋三官房長官は、国内にすでに入っている米国産牛肉について、日本の輸入業者に自主調査と報告を求めることにしたといいます。
これでは、混入検査を業者まかせにするということではありませんか。国民の不安が広がるのも当然です。
実効性のない検査体制のまま、米国産牛肉の輸入再開を強行した政府の無責任な姿勢が、あらためて問われなければなりません。