今日の郵政民営化特別委員会では、午前中に参考人質疑がおこなわれました。

　そのあと、午後１時から小泉総理が出席して、野党の締めくくり総括質疑がおこなわれ、討論の後、法案が採択され自民・公明の賛成多数で可決されました。

　まだまだ、さまざまな論点が浮かび上がっています。

　今日の質疑でも、民主党の若手議員から「もっとじっくり議論すべきだ」という声が出ていました。これで衆議院を通すなど、絶対に許せません。

　民主党は、なぜ採決することを自民党と「合意」したのでしょうか。どう考えても腑に落ちないことです。

雨のなか、郵政民営化反対の抗議集会であいさつ

参考人に質問しました

　参考人の方々は、全国地方銀行協会副会長・福田誠氏、作新学院大学総合政策学部教授・石井晴夫氏、慶應義塾大学商学部教授・跡田直澄氏、ジャーナリスト・安田浩一氏の四人です。

　作新学院大学の石井教授は「国民にメリットがあるというが、具体的な根拠は何も説明されていない。地域社会を破壊する民営化を強行することは理解できない」と指摘しました。

　また、ジャーナリストの安田氏は「民営化は銀行・保険業界、アメリカが求めているものではないか」「公共の考えがあるからこそ、毛細血管のように張り巡らされた郵便局ネットワークが維持されてきた。これは民間に求めるべきものではない」と主張しました。

　私は安田氏に、国鉄の分割民営化で、安全性が後退した問題にもふれ、郵政民営化でどのような問題が生じるかききました。

　これにたいして安田氏は「利益を優先する以上は、もうけにならないものは切り捨てざるを得なくなる」とのべて、郵便局の統廃合などで弱者に影響委が及ぶことに懸念を表明しました。

　地銀協会の福田氏にもききました。――郵政民営化で、公社は「分社化」されるがグループとしての一体的な運営ができる。そのような巨大な会社が、地銀の分野である地域への融資をおこなうようになれば、脅威になるのではないでしょうか。

　これにたいして、福田氏は「公正な競争を確保してもらいたい。地銀など地域密着型の金融機関と共存してほしい」と答えました。

　また私は、視覚障害者対応のＡＴＭは「郵政公社では１００％設置されているが、民間銀行では１３％しかすすんでいない。地銀ではさらに遅れている。どのように認識しているか」とききました。

　福田氏は、コストがかかるのですすんでいないが、できるだけ普及するようにしたいと答えました。