奮戦記
【05.05.29】参拝は「首相の責務」…これが政府・与党の姿勢か
昨日、自民党の安倍幹事長代理は、小泉首相の靖国神社参拝について、こうのべたそうです。
――「命をささげた人のためにお参りするのは当然のことであり、責務だと思う。次の首相もその次の首相も当然お参りしてほしい」。
いったい、何を考えているのでしょうか。
森岡厚生労働政務官が「日本国内ではA級戦犯はもう罪人ではない」などと発言して、内外の反発を招いたた直後なのに、与党の幹事長代理として、それをさらにエスカレートさせるような言動は、つつしむべきではないでしょうか。
新華社は、森岡発言に対して「極東国際軍事裁判の審判の結果を公然と否定し、第二次世界大戦におけるA級戦犯の責任を言い逃れることは、戦争被害国人民の強い憤りと厳しい非難を引き起こさざるをえない」とのべています。
靖国神社は、国民を侵略戦争に駆り立て、戦場に動員する役割を担いました。
戦後はA級戦犯を合祀し、侵略戦争を「正しい戦争」とし、それを宣伝するセンターの役割を果たしてさえいるのです。
ですから、首相の靖国神社への参拝は、「日本の戦争は正しかった」と内外に表明するものにほかなりません。それを「首相の責務」だというのですから、言語道断です。
共同通信の世論調査によると、小泉首相の靖国参拝を「ことしは見送るべきだ」とする国民が57.7%を占めているのです(「東京」29日付)。このさい、首相の靖国神社参拝はきっぱりと断念すべきです。