奮戦記
【05.05.17】中小企業融資、偽造・盗難カード、徴税問題で質問
今日は、財務金融委員会で午前と午後の2回にわたって質問しました。質問のテーマは、中小企業融資、偽造・盗難カード、徴税問題などです。
まず、公的資金注入行の「中小企業向け貸し出し」についてききました。
2004年9月の実績をみると、これまで問題があるとして「業務改善命令」を受けてきた3グループが、またマイナスになっています。
UFJは、2回の業務改善命令をうけ、去年も指摘されているのに、約2000億円足りず、また未達になりかけています。
みずほは、03年に業務改善命令を出されたことで、04年3月までには計画も2000億円、実績も達成したのに、今回は、まだ約6000億円も足りません。
りそなも、02年に命令を出されて、03年3月、04年3月は達成しましたが、今回は約2300億円下回っています。
この3グループをあわせて、05年3月までに1兆円以上増やさないと目標を達成できなません。本当に達成できるのでしょうか。
みずほやUFJの履行状況に関する報告書(04年9月)をみると、こう書いています。
――「金融再生プログラムの最終年度で、不良債権処理の完了にむけた取り組みを行っていて、低格付先の残高が減少したから、中小企業向け貸し出しが減少した」。これは開き直りです。
要するに不良債権処理が、足を引っ張っているということではありませんか。政府にも大きな責任があります。
地銀、第2地銀については、収益が足りないと「業務改善命令」を出していますが、中小企業向け貸出についての「業務改善命令」は出されていません。
地銀、第2地銀こそが、地域密着型金融(リレーションシップバンキング)として、中小企業向け貸出を重要視しなければならないのに、金融庁は、収益重視に偏っていて、中小企業向け貸出は2の次になっているのではないでしょうか。
偽造・盗難カード問題について、金融庁の対応をただしました
次に、金融庁の偽造キャッシュカードに関するスタディグループの「中間とりまとめ」に関連してききました。
副題が「盗難キャッシュカード被害に対する補償を中心として」となっており、偽造キャッシュカードに限定せず、対象を広げようとしていることは当然です。
この報告書では、「諸外国においては、実務上、原則として、偽造・盗難の区別なく補償を行っている場合がほとんどである」と書いている。私は、日本でも当然、そうあるべきだと思います。
ここで改正案として出されている「偽造・盗難キャッシュカード被害に対する損失負担ルール」によると、3つのケースに分かれています。
銀行に全額負担をもとめるには、「預金者の過失」がないということを「預金者が疎明」するということになっています。「疎明」とは、説明のことです。
つまり、自分で過失がなかったことを説明しなければならないというのです。
そのうえで、銀行がそれを認めてはじめて全額銀行負担による補償が受けられるということになっています。
預金者が「疎明」できるかどうか、銀行がそれを認めるかどうか、この二つをクリアしなければだめとなると、銀行負担による補償はほとんど不可能になるのではないでしょうか。
そうなると、大部分が50対50ということになってしまうものと思われます。
今回の「中間報告」では、銀行の言い分に影響されたのか、まことに中途半端なものになっていると言わざるをえません。
盗難カードに視野を広げたことは一定の評価に値しますが、それだけでは足りません。今後は、盗難預金通帳、印鑑の偽造などにも視野を広げなければなりません。
長くなりますので、税務署の強権的な徴税問題については、明日の「奮戦記」で報告しましょう。