奮戦記
【05.05.07】技術を継げない――採用を抑制してきたJR西日本
時事通信によると、JR福知山線で脱線事故を起こしたJR西日本では1987年の国鉄民営化後、新規採用を抑制してきました。
それが原因で、運転士の年齢構成は、中堅層が薄く経験の浅い若手が多い労働者構成になっていたそうです。
30代がほとんどおらず、40代以上と20代に二極分化した「いびつな構造」になっていることが分かったと言います。
そのため、安全技術の継承ができなくなっていたのではないでしょうか。
これも、事故の遠因になった可能性があると指摘されています。
国鉄の分割民営化以降、利益優先主義がいっそう強められ、人減らし・リストラを推進するようになりました。
このいびつな労働者構成の問題にもメスを入れる必要があるのではないでしょうか。
ゴルフコンペや宴会など、次々と問題点が明らかに!
脱線事故を知りながらJR西日本の社員延べ185人がゴルフコンペや宴会に参加していたという問題には、あきれるとともに心底、腹がたちます。
開催をやめようと声を上げた社員が8人しかいなかったということも、深刻な問題です。
参加した社員は、駅長ら現場のトップが76人、一般社員が91人の計167人だったそうです。
また、事故当日から3日続けて懇親会に出席していた社員もいました。
JR西日本は、大阪、神戸など管内10支社と大阪建設工事事務所の計250の全職場で調査しました。
事故当日の4月25日から30日までに開かれたゴルフコンペや送別会などは、計18件もありました。
そのうち、開催中止の声が出たのは、事故現場を管轄する大阪支社と、神戸支社の日帰り旅行など計4件だけだったというのです。
人のいのちに対するこのような無感覚といいうのは、いったいどこから出てくるのでしょうか。