奮戦記
【05.05.04】イタリアでも「イラクから撤兵せよ」の声が強まっている
イタリアで、イラクからのイタリア軍の早期撤退論が、急速に浮上しています。
イタリア人記者への銃撃事件に関連して、アメリカとの間で事実認定について矛盾が深まっているからです。
イラクのバグダッドで発生した米兵によるイタリア人記者銃撃事件について、アメリカが調査報告を公表(4月30日)しました。
その内容があまりにもひどいので、イタリア国民の間で急速に反発が広がっています。
銃撃事件は、拉致されていた伊女性記者が解放された直後の3月4日、バグダッド空港に向かう途中で米兵の銃撃を受けたものです。
車に同乗していた情報機関員が死亡し、同記者も肩に銃弾を受けました。
「しんぶん赤旗」のローマ特派員によりますと、閣僚のなかからもイラク撤退論が公然と語られているそうです。
国営テレビRAIは、「米国は軍の士気を維持するために、“問題はなかった。悲劇的な事故だった”で決着させることを急いだ」と報じました。
アメリカ側は、時速96キロでチェックポイントに接近してきたと主張していますが、この点がイタリア側と決定的に食い違っています。
イタリア側は記録データの提出を要求しましたが、アメリカが「存在しない」として拒否したそうです。
そのため、米側が確定した速度に「根拠はない」と反論しました。
いまでは、野党からだけでなく、与党のカルデロリ制度改革相(北部同盟)も、「イラクからの撤退の時期を考えるときだ」と発言しています。
こうして、アメリカの要請に応じてイラクに派遣されている3000人の部隊の撤退を求める声がいっそう強まっています。
日本の小泉内閣も、ただちに自衛隊を撤退させ、国連を中心とした人道支援に切り替えるべきではないでしょうか。