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奮戦記

【05.03.30】偽造キャッシュカード等の被害を防げと追及しました

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 今日は、財務金融委員会で偽造キャッシュカード等の被害を防ぐ問題について質問しました。

写真 私は先日、被害者などの話を聞いて驚きました。

 ……ある日、気がつくと預金が何百万円も、何者かによって何度も引き出されており、残高がゼロになっていた。
 驚いて銀行の窓口に行き「どういうことなんだ。何があったのか」ときく。銀行は「ともかく警察に行って下さい」という。警察に行くと「あなたはお金を盗られていない。盗られたのはプラスチックのカードや電子データだ。お金を盗られたのは銀行だから、銀行に被害届を出してもらいなさい」という。
 そこで、また銀行に行くと「何を言うのか。ウチはATMにカードと暗証番号を入れた人にきちんと払いました。どこがいけないんですか」と言われる。……このようにして、被害者はまったく救済されないのです。

写真 こんな信じられないことが発生しているのです。

 この問題の核心は、被害を受けた善良な預金者が金融機関の責任によって被害をきちんと補てんされることです。

 なぜ、そうならいのでしょうか。

 これまでの経緯から見て、(1)ATMなどの利便性のみが優先された結果、セキュリティーが二の次になってきたこと、さらに、(2)損失については預金者にのみ負担を押しつけ、金融機関が事実上負担しなくてすむ仕組みがつくられ、過失がないという立証責任を預金者に負わせるなど。
 ――これらが、事態をいっそう深刻にしてしまったと思います。

写真 欧米では、70年代から80年代にかけて、盗難・偽造カードについての対応が整備されてきました。

 たとえば、預金者によほどの重大な過失がない限り「損失を預金者に押しつけない」という原則が確立しているのです。

 たとえば、アメリカには「50ドル・ルール」、ドイツには「10%ルール」があります。

 預金者の負担に一定の上限を設け、悪意や重過失がない場合、あとは銀行がすべて負担するというルールがつくられています。

 欧米では、預金者に過失があるという立証責任は誰が負うのでしょうか。
 ――アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、EU、カナダ、オーストラリアでは、金融庁の資料でも、金融機関が負うことになっています。

写真 カードや通帳が盗まれたり紛失した場合の「損失補てん」も同じように銀行の負担でおこなわれています。

 日本の制度がいかに遅れているかということです。なぜ、そうなったのでしょうか。

 経過的に見て、預金者・消費者を保護するという原則を確立するチャンスは、いくらでもあったはずです。

 たとえば、1987年の金融制度審議会で、金融消費者保護についての法整備が議論されています。

写真 調査会のなかにエレクトロバンキング専門委員会をつくり、88年には具体的な立法化の検討に入りました。

 結果として、その動きがつぶされました。いったい誰が反対したのでしょうか。

 岩原紳作教授の『電子決済と法』(有斐閣)という本によれば「大蔵省では、昭和62年に金融制度調査会において電子資金移動に関する法律問題を取り上げ、翌年からその法制整備の検討に入ったが、銀行界の立法への反対に会ったため、平成7年に僅かな約款整備を行っただけで、事実上法制整備の検討を終えている」とされています。

 また、柳田邦男氏の『キャッシュカードがあぶない』にも、このとき銀行業界の「猛烈な反対」があったと紹介されています。

写真 いずれにしても、盗難・偽造カードについての法整備を、至急おこなわなければなりません。

 それにとどまらず、本人以外の権限のない者による取引(無権限取引)を規制する法的な規制が必要です。

 しかしそれだけでなく、横断的・包括的な金融消費者保護のための法整備がもとめられています。

 私は、この問題について検討を深めるため、参考人招致をもとめました。

(1)全国銀行協会の西川善文会長(三井住友銀行頭取)。
(2)金融庁の偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ座長で、東大大学院の岩原紳作教授。
(3)預貯金過誤払い被害対策弁護団の野間啓弁護士。
(4)『キャッシュカードが危ない』の著者、柳田邦男氏。

 この参考人要請については「理事会で協議」することになりました。



……!!

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