奮戦記
【05.03.21】米国務長官来日による牛肉輸入再開圧力に屈するな
来日したライス米国務長官が、小泉首相や町村外務大臣とそれぞれ会談したさい、牛肉問題について、「米国ではすでに深刻な問題となっている」と強調しました。
日米外相会談のとき、ライス長官は「1980年代には、米国には日本を標的にした貿易問題があった。その後、こうした議論は影を潜めたが、制裁を論ずる人々が出てきている。日米関係に悪影響をもたらしつつある」と強い表現で日本側に決断を迫ったというのです。
小泉首相は、「米国で政治問題になっていることは承知しており、日米関係を損なわないように取り組んでいかねばならないと考えている」と述べたそうです。
じつに微妙な言い方ですね。
日本人は、BSEが原因の変異型ヤコブ病を発症しやすい遺伝子型をもっています。
英国滞在24日の男性患者も、それが確認されています。
独自に慎重な食品健康影響評価をおこなうのは当然で、それこそ科学的な態度です。
米国産牛肉の輸入禁止国は、日本だけなのでしょうか。そうではありません。
日本以外にも韓国、ロシアなど約50カ国にのぼるのです。これこそ、国際的な現実ではありませんか。
米国のBSE対策には重大な問題があり、国際的な批判がでています。
第1、日本やヨーロッパのような牛の個体識別システムがありません。
第2、脳や脊髄(せきずい)など危険部位除去も30カ月以上と、緩い対策になっています。
だから、米会計監査院(GAO)も、BSE発生防止にとって重要な牛の飼料検査に重大な欠陥があるという報告書を作成しているのです。
牛の肉骨粉が混入した飼料の禁止が徹底していないことにも警告を発しています。
当のアメリカ政府は、カナダでBSE感染牛発生したことを理由に、牛肉輸入をストップしているではありませんか。
国際的にも通用しない身勝手なやり方で、日本にだけ牛肉輸入の再開を迫るのは、きわめて不当です。
こんな圧力に屈しないよう、世論を結集して小泉内閣に迫っていかなければなりません。