奮戦記
【05.03.07】「全頭検査は非常識」発言後も、懲りない農水大臣
島村農林水産大臣は、去る2月25日、BSE(牛海綿状脳症)対策にからんで次のように発言し国民の怒りをかっています。
――「全頭検査は世界の常識ではなく、非常識の部類ですから、いつまでも、こういう姿勢に閉じこもっていることが妥当だとは考えていません」。
この発言は、これまでやってきた日本の全頭検査を冒涜するものです。
全頭検査は、日本の牛肉にたいする国民の信頼を支える柱ではなかったでしょうか。
前農水大臣の亀井善之氏は、「米国は全頭検査を非科学的と言い続けたが、日本で牛肉の消費が回復したのは、全頭検査のおかげだ」。「消費者の意識からすると、全頭検査が決定的な安心感を与えている」とのべているのです。
島村農水大臣は、昨年12月に米国のベーカー駐日大使の訪問を受け、米国産牛肉の早期輸入再開を要求され、国会答弁のなかでも「彼の気持ちにもこたえなければいけない」と思ったとものべています。まさに“確信犯”です
民主党の質問には「適切でないなら言葉にこだわらない」とこたえながら、その後も、米政府の立場を優先し、牛肉にたいする安全・安心を置き去りにする姿勢を続けています。その点では、町村外務大臣も同じです。
米政府は、日本政府への圧力を強めていますが、米国産牛肉の輸入が再開されないのは、米政府のBSE対策が不十分だからではありませんか。
米国では、BSEの検査率は1%未満。ほぼすべての牛が無検査のまま、と畜されています。
危険部位の除去もすべての牛を対象にするのではなく、米国では30カ月齢以上とされています。
しかし、その月齢を正確に判別できる生産履歴システムもないのです。
それでもなお、日本に対し米国産牛肉の輸入再開を求めるアメリカの姿勢こそ、「非常識」ではないでしょうか。