奮戦記
【04.08.14】名目GDP0.3%減―「景気に明るさ」なんて見えない
内閣府が、4―6月期の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。
それによると、物価変動の影響を含めた景気の実感に近い名目成長率は、同0・3%減(年率1・3%減)で、5期ぶりにマイナスに転じました。
物価が連続して下落する「デフレ」時代には、名目成長率が実感にいちばん近い数字なのです。
物価変動の影響を除いた実質GDP(同)は前期比0・4%増で、2期連続で成長率が失速しました。
小泉内閣が「構造改革」の成果で明るい兆しが見えたなどと誇っていましたが、まったくの“ぬか喜び”でした。
需要項目別でみると、個人消費が名目で0・2%増、実質で0・6%増といずれも伸び率が鈍化しました。雇用者報酬の伸びは名目で前期比0・2%増にとどまりました。
設備投資は名目で0・8%減(実質で0・0%)と大幅に減りました。
リストラ・人減らしや不安定雇用の拡大などで、大企業は一時的に高収益をあげています。しかしそのウラで、個人消費の低迷が続き、成長率にも陰りがみえはじめているのです。