奮戦記
【04.08.12】原発事故――安全を軽視する体質に根本問題がある
4人が死亡した関西電力・美浜原発3号機事故は、全国に大きな衝撃を与えています。
安全を軽視してきた関西電力の体質に根本的な問題があるのではないでしょうか。
重大なのは、破損した配管部分の点検が対象リストから漏れ、約14年間も見落とされていたうえ、昨年11月に、下請けの検査会社から点検の必要性を指摘された関電側が、指摘後も点検を先送りしていたということです。
このため、配管内の肉厚が水流の流れで削られる「減肉摩耗」が生じて配管が変形、破損する「延性破壊」が起きたようです。
これにたいして、中川経済産業相は、今日の会見で「まさに人災だ」と述べたそうです。
それは、関電の管理体制の甘さが招いた事故だったと言いたいのでしょうが、所管していた経済産業省の責任をどう感じているのでしょうか。
2000年に、関電が美浜原発3号機の二次系配管の安全対策などを盛り込んだ報告書について、当時の通産省が「妥当」と評価していたことも明らかになりました。
関電のずさんな報告を見逃し放置した国の監督体制も問わるべきです。
日本共産党福井県委員会は、昨日、中川昭一経済産業相と原子力安全・保安院に徹底究明と再発防止などを緊急に申し入れました。
これには、事故現場を調査した吉井英勝衆院議員、木島日出夫前衆院議員、塩川鉄也衆院議員秘書らが同行して、定期点検準備という名目で運転中の原発建屋に安全軽視で多数の労働者を入れないことなどを強く求めました。
吉井議員は「建屋には小さな出入り口しかない。200人がすぐ避難できない構造だ。死傷した11人以外にも高温の蒸気を吸うなどして気道にやけどを負っている可能性もある」と指摘し改善をもとめました。
東海ブロック圏内には、静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発があり、私も何度か現地調査に入ったことがあります。
日本共産党の静岡県議団(花井征二団長)は、昨日、中部電力に対して万全な調査と対応を求めました。
花井団長は、「浜岡原発は、美浜原発と違う沸騰水型軽水炉であるだけに、万が一にも事故が起こったら、放射性廃棄物等が建屋に充満し、最後の防護壁を越えて大気中への大量の放射能漏れという大事故につながりかねない」と指摘しています。