奮戦記
【04.03.01】予算委分科会。国交大臣に「御望山トンネル」で質問
今日は、衆議院予算委員会の分科会で質問しました。
各省庁への質問ができるよう全体として8つの分科会に分かれています。
私は、第8分科会(国土交通省)で質問しました。
テーマは、東海環状道路の御望山トンネル計画についてです。
岐阜市の里山である御望山の南斜面の下を、東海環状自動車道がトンネルを掘って通過する計画になっています。しかしそこは、急傾斜地崩壊危険区域に指定されているのです。
大型の公共事業をすすめるばあい、「地域住民の命と安全をまもり環境保全に最大限つとめることはたいへん重要だ。大臣の基本姿勢を聞いておきたい。」と聞きました。
石原大臣は、「安全と環境に十分留意して対応したい」という趣旨の発言をしました。
いま、学者、住民、行政の3者によって「御望山調査検討会」が設置されています。これは、なかなか先駆的なものです。
そのさい、建設省岐阜国道工事事務所と第二千成団地自治会とのあいだで、「検討会の準備委員会に向けての第二千成団地住民との合意・確認事項」というものがとり交わされています。
このなかで、こう述べているのです。――「御望山の安全性確認の調査をし、検討会において重大な結論が出された場合、ルート変更もあり得る」。
この「調査検討会」のもとに、御望山の安全性について専門的に検討する「専門委員会」が置かれました。
今年の1月25日の「調査検討会」で、この「専門委員会」が見解を表明しています。その議事録によると、「御望山の地質は非常に悪く、ルート変更を考えるケース」だと述べているのです。
私は大臣に、この「検討委員会」は3月末までに結論を出すことになっているので、「検討委員会」が専門的な見地から結論を出した場合、国土交通省はその結論に従うのが当然だと思うがどうかと、ききました。
石原大臣は、「結論を見守りたい」と述べました。また、「調査検討会」の結論が出るまでは、着工しないことも確約しました。
私は、環境省に聞きました。御望山の南側のトンネル東抗口付近にある於母ヶ池(おもがいけ)には、ヒメコウホネが生息しています。
ヒメコウホネは、国のレッドデータブックで絶滅危惧種として記載されています。
於母ヶ池(おもがいけ)のヒメコウホネは、専門家から、ヒメコウホネのなかでもさらに貴重な新しい種ではないかと指摘されています。
これは、ギフヒメコウホネとよばれており、近く学会でも発表される見通しだと言います。万が一にも、トンネル建設で、これが絶滅するということがあってはいけません。
私は、「環境省としても強い関心を持っていると思うが、どうか」とききました。
これにたいして、環境省は「強い関心を持っている」と答弁しました。
地元の岐阜市では、4月から自然環境保全条例が施行されます。希少種であると確認されたばあい、自治体が条例で保護していくことが可能になるのです。
環境省は、このような動きを肯定的に評価していると述べ、国としても自治体と連携して保全のために努力すると述べました。
私は、国土交通省が瀬古由起子前衆議院議員に出した地図入りのルートを示しました。
そこには、北側に別のルートが描かれています。それは、勝手に私たちがつけたものではありません。国交省がつくったものです。
このことは、北側のルートも建設可能だということを示すものです。いまのコースでなければならないということはないのです。
この北側コースに変更すれば、安全でもあり絶滅危惧種の保護もできるのです。