奮戦記
【04.01.04】自民党の「Q&A」でも、国民は絶対に納得しない
自民党が「イラクへの自衛隊派遣についてのQ&A」と題した内部文書作成し、議員に配布したそうです。
その目的は、年末年始、地元に戻った国会議員が「イラクへの自衛隊派遣」について地元支持者の理解を得られるよう説明するためだというのです。いったい、何が書かれているのでしょうか。
報道によると、あいかわらず「自衛隊は復興支援活動を行う」のであり「戦争に行くのではない」と強調しているようです。
「自衛隊は戦闘地域に行くわけではなく、襲われた場合に正当防衛として武器を使用する。無反動砲などの大きな武器を使ったからといって、武力行使にはならない」というのです。
その一方で、「イラクの再建は石油資源の9割近くを中東に依存する日本の国益に直結する」と説明しています。
人道支援や石油のためなんて、とんでもないごまかしだ!!
しかし、これはとんでもないごまかしです。
第1に、「人道復興支援にいく」というけれども、「基本計画」をみれば、同時に自衛隊が「安全確保支援活動」をおこなうと明記しているのです。
「安全確保支援活動」とは、米英軍がおこなっている軍事占領支配を支援する活動のことです。
米英軍がおこなっている軍事作戦のなかには、「鉄のハンマー作戦」というのがあります。「ゲリラ掃討作戦」と称して、激しい空爆をおこないミサイルを打ち込んで、一般人の命をも奪っています。こんな作戦をやっている武装した米軍を輸送することになれば、参戦行為そのものです。
その軍事占領支配の支援のために、自衛隊派兵を強行すれば、泥沼化をいよいよ深刻にし、日本も占領国の一員としてイラク国民の怒りと憎しみの対象とされるのです。
第2に、石油資源を中東に依存する「日本の国益に直結する」と言いますが、これもごまかしです。
だいたい、石油を確保するために軍隊を送るという発想が、根本的に間違っています。あの戦前の発想に近づいているのではありませんか?
中東諸国のなかで、イラクに公式に軍隊を派兵している国は、ひとつもありません。
これまで、日本に対する中東諸国の「好感度」は、比較的良いものがありました。
しかし、米占領軍支援のために自衛隊を派兵すれば、中東・イスラム諸国の反発をまねくことになり、これまでの友好的な感情を大きく損なうことになるでしょう。
自民党の説明は、国民の根本的な疑問に何ら答えることになっていません。――説明すればするほど、深刻な矛盾に落ち込んでしまうだけです。
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