奮戦記
【03.12.30】小選挙区制・政党助成金の弊害はだれの目にも明らか
新井正則衆議院議員が、選対幹部らに現金を渡し買収を指示した疑いで逮捕された事件は、小選挙区制と政党助成金の弊害をくっきりと浮き彫りにしました。
政党助成金という制度は、1994年、細川内閣の時に「政治改革」と称して小選挙区制とセットで持ち出され導入されました。
私たちは、当初からこの制度に反対し助成金の受け取りを拒否して、助成法の廃止を提案し続けています。
だいたい、国民がどの政党を支持するかは、一人ひとりの自由です。
しかし、政党助成金は、自分の納めた税金が自分の支持していない政党に強制的にまわされる仕組みで、いわば強制献金の制度なのです。
これは、憲法19条で保障されている思想・良心の自由をふみにじるものではありませんか。
またこの制度は、ほんらい国民に依拠して自律的に活動すべき政党のあり方をゆがめます。政党を、税金のひもつきにしてしまうもので、政党政治を堕落させるものと言わなければなりません。
制度を導入した時、細川内閣は「将来的に企業団体献金を禁止する」「5年後に交付金総額を見直す」と説明していました。
しかし、その後見直しをせず、政党支部への献金を容認するという形で企業献金禁止の抜け道をつくり、政党交付金と企業団体献金の二重取りの仕組みまでつくったのです。
「小選挙区」という制度が金権選挙を激化させている
小選挙区制というのは、ひとつの選挙区で1人しか通らないのですから、多数の民意が切り捨てられる民主主義に反する制度です。
「カネのかからない選挙制度だ」と言われていましたが、現実はまったく逆だったことが、最近の選挙違反事件をみても明らかとなりました。
自民党は、総選挙にあたって各公認候補にたいし、公認料1000万円とは別に政党助成金1000万円を渡しています。
新井議員と同じく買収容疑で逮捕・起訴され、議員辞職した自民党の近藤浩被告は、買収資金の原資について「党からの陣中見舞い」(「東京」12月7日付)と説明しています。
今回の総選挙で、自民党は、村岡兼造元官房長官、中山太郎元外相、相沢英之元経企庁長官、佐藤信二元運輸相、島村宜伸元文相など20人近い陣営で、買収・供応などの逮捕者を出しています。
小選挙区制で1人しか通らないわけですから、当然、選挙の様相も激化し、カネのかかる選挙になってしまうことが、このことでも明らかです。
このような弊害のある制度は、根本的に見直すべきです。
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