奮戦記
【03.12.13】イラク国民は外国の軍隊が来るのを望んでいない
明日にむけて、今日は写真のような“ねじりハチマキ”でテレビ討論の準備に集中しました。
やはり最大の焦点は、イラクへの自衛隊派兵問題になるでしょう。
テレビや新聞でも紹介されていましたが、イラク南部のサマワの街の横断幕には「自衛隊を歓迎する」と書かれていたようですが、これは真っ赤なねつ造でした。
現地の言葉では「日本人を歓迎する」と書かれていたのです。仕事をつくってくれる日本企業への期待があるからです。
そう言えば、似たようなことがありました。
小泉総理は、先日の衆議院予算委員会での赤嶺政賢議員への答弁で、「イラクの世論調査では米占領が必要だと答えたのは71%もいる。6月の調査では42%だった」と言いました。
これは、11月20日のロイター電を紹介したものですが、きわめて不正確なものでした。
じっさいには、バクダット大学の心理調査センターがおこなった調査では「71.5%のイラク人が、少なくとも当面の間は米占領が必要と考えている。……」というのが正確な翻訳です。
小泉さんの国会答弁では、ロイター電の「少なくとも当面の間は」を省いて紹介したのです。これは、意図的に内容を歪めたものと言わなければなりません。
治安が悪化したため、米軍にたいして当面は責任をもって治安対策をやってもらいたいという国民の声のあらわれだったのです。
じっさい、イラク国民は米英占領軍を信頼していないというデータは、いくらでもあります。
たとえば、 オックスフォード国際研究所とオックスフォード大学が実施したイラク国民の意識調査によると、国民の78.8%が、米英占領軍を信用していないというデータがあります。
また、オックスフォード・リサーチ・インターナショナルが、バグダッド大学の協力を得て、10月から11月にかけておこなった世論調査(3244人)によると、占領軍に対して「まったく信頼感を抱いていない」が57%、「ほとんど信頼していない」が、22%で、あわせて79%にたっしています。
これにたいして、「大いに頼りにしている」は、8%にとどまっているのです。
こんな状況ですから、自衛隊がイラクに行ったら「占領軍と同じ軍隊」と見なされることになります。
「自衛隊をイラクに出せば、占領軍の一部とみなされ、確実に攻撃対象になる」――このことは関係者が共通して指摘していることです。
自衛隊の派兵は、ただちに中止すべきです。