奮戦記
【03.11.24】厚労省の年金改革案はあまりにも冷酷だ!
昨日のNHK日曜討論では、年金の改革が焦点となりました。
厚労省案は、現行13.58%の保険料を19年連続して引き上げて20%にするというものです。また、給付水準も現行の59.4%から「50%以上」へ引き下げる内容になっています。
私は、この厚労省案は、保険料の負担増と給付削減によって「国民の不安と不信を広げるものになっている」と指摘しました。
また、「いま支給開始年齢の繰り延べが現に実施されつつあり、逃げ水のように年金が逃げているとき、それに追い打ちをかけるように負担増を国民に押しつけるやり方は、ほんとうに冷酷だ」と主張しました。
驚いたのは、自民党の額賀政調会長の発言です。
額賀氏は「経済界の言い分もよく聞きながら、対応していくことが大事だ」と述べたのです。
政治献金をくれる財界の意向を大切にし、国民の意向などどうでもいいとでもいうのでしょうか。これでは、年金の連続改悪は避けられません。
私は、こう述べました。――「いまの制度の枠内で「負担増か給付減か」という議論をやっていては堂々めぐりになる。いずれにしても国民が犠牲になる話ばかりだ」。
この袋小路には、自民・公明、民主の各党が陥っています。
私は「国の負担責任はどうなのか。大企業の責任はどうなのか。こういう点を含めて考えるべきではないか。とくに、財政構造全体をどう考えるのかという発想でいかないと、袋小路に陥ることになる」とのべました。
特に危険なのは、当面の基礎年金に対する2分の1国庫負担の財源を庶民負担にかぶせようとしている自民党、公明党の態度です。
公明党は、所得税の定率減税廃止(つまり所得税の増税)をあげています。これにたいしては、自民党からも「サラリーマンの中堅層が増税になる」などと批判しているほどです。
自民党はどうか。あわよくば消費税増税で穴埋めしたいと考えているのです。
私は「公明党は庶民増税、自民党はあわよくば消費税増税ということも考えているようだが、それは正しくない」と主張しました。
財源には2兆7000億円必要ですが、それは、大型公共事業のムダを削るのはもちろん、「道路特定財源を一般財源化してその一部をまわすことや、年金の支え手を増やすために不当なリストラを規制して雇用を安定化すること、147兆円の年金積立金の有効な活用をなどによって確保すべきだ」と述べました。
このような新しい発想で抜本的改革を進めてこそ、安心できる年金制度に踏み出すことができるのです。
楽屋裏で、こんなことが!?
昨日の朝8時半頃、NHKの「日曜討論」の控え室に入りました。
ところがなんと、私の他に、民主党の枝野さんと、社民党の阿部さんの野党3人しかいないのです。
あれっ!と驚いたのですが、額賀さんは、名古屋のスタジオからの中継で参加するのだそうです。「なぜですか」かと聞かれて、「野田聖子さんの祝賀パーティーに出席するため」だというのです。
な〜んだ、NHK出演なんて自民党にとってはその程度の位置づけなんだと思いました。少し遅れてあらわれた公明の北側氏は、「寂しいな〜。いままで自民、保守と3人いたのに」なんて言ってました。
確かに、スタジオでは野党3人と与党1人という、たいへん珍しい配置になりました。