奮戦記
【03.04.08】衆院本会議で個人情報保護法案について質疑
本日の衆議院本会議で、個人情報保護法案について政府と野党のそれぞれから法案の提案説明があり、質疑がおこなわれました。
日本共産党からは、春名直章議員が質問にたち吉井英勝議員が答弁しました。
衆議院本会議で、日本共産党の議員が大臣席から答弁するのは、石井郁子副委員長いらい2人目です。
政府の旧法案は、野党はもちろん報道機関など国民各層からの強い批判によって、廃案となりました。今度出された法案は、その廃案となった政府案を一部修正して出し直したものです。
第1の問題は、政府案では依然として表現・報道の自由を侵害するおそれがあるということです。
政府案は、表現・報道の自由を脅かすと批判された旧法案の「基本原則」を削除しました。しかし、それとならび報道の自由侵害の危険が指摘されてきた主務大臣制についてなんら手がつけられていません。
報道目的や著述目的の判断が、主務大臣にゆだねられています。そのため、適用除外が狭く限定されたり、恣意的な判断がなされる危険な構造はそのままです。
そのため、「報道」に介入する余地が生まれるのです。
表現・報道の自由の侵害を排除し、個人のプライバシーという基本的人権に深くかかわる個人情報保護の実施機関は、直接の行政機関でなく、行政から独立した第三者機関でおこなうことが必要です。それは、すでにイギリスやドイツ、フランスでも実施されています。
野党案は、行政からの独立性をもった第三者機関の個人情報保護委員会を提案しています。
第2の問題は、個人情報を真に保護することができるかどうかです。
個人情報保護制度をつくるうえで一番大事なことは、自分の情報の取り扱いについて、いかに自分が関与し選択できるかという「自己情報コントロール権」を徹底させることです。
個人情報の取り扱いに、本人が関与する必要がある場合は、個人情報を事業者が取得し保有するとき、事業者が目的外に利用したり、第三者に提供するとき、さらに本人が自分の情報の開示や訂正・停止を要求するときなどです。
政府案は、一応これらの原則が定められていますが、他方で広範な例外規定がおかれています。
これにたいして、野党案は、法案の目的に個人情報の保護委員会を設置することにより、個人情報の取得、利用、第三者にたいする提供等に本人が関与する「自己情報コントロール」権の立場をはっきりさせ、個人の権利を保護することを明記しています。
個人情報のなかでも、もっとも重要な情報は、思想、信条、病歴、犯罪歴など個人の名誉、信用、秘密に直接かかわる“センシティブ”情報です。
これらの個人情報は、民間事業者であれ行政機関であれ、特別な場合を除いて原則収集禁止というのが、憲法に定められた福祉追求権や法の下の平等原則からも当然です。
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