奮戦記
【03.03.20】この戦争にはひとかけらの道理もない!
今日、午前11時35分頃、アメリカがイラクの首都バクダットに軍事攻撃を開始しました。
このような緊急事態にたいして、私たちも9時から党の国会対策委員会をひらいて国会対応を検討しました。
今日は、3時半から通常の本会議(第1回)をひらいたのち、引き続き夜9時半からの本会議(第2回)で、小泉総理の報告を受けて質疑をおこないました。日本共産党を代表して志位委員長が質問に立ちました。
衆議院の本会議が終わったのが、夜の11時半でした。
アメリカがねらっているイラクへの軍事攻撃は、どこからみても一片の道理もない無法なものです。こんな野蛮な戦争は、ただちに中止すべきです。
小泉首相は、ブッシュ米大統領の戦争をただちに「支持」しましたが、憲法9条を持つ政府として、ほんとうに恥ずかしい態度表明です。
このアメリカの対イラク戦争には、なんの道理もありません。
その理由は以下の通りです。
どこから見ても無法な先制攻撃
ひとつは、国連と国際法をじゅうりんする無法な先制攻撃だからです。
小泉首相は、国連安保理決議678、687、1441があるので、これが「武力行使の根拠となりうる」とのべました。
しかし、昨年11月に採択された決議1441が、武力行使の根拠になりえないことは、政府自身が認めてきたことではありませんか。
また、決議678は、13年前の湾岸戦争の時のもので、クウェートに侵略したイラク軍を排除するための武力行使を容認したものです。
これが、こんどの戦争の根拠になるものではないことは、誰が見ても明らかです。
では、決議687はどうでしょう。これは、湾岸戦争の停戦の条件を定めたものです。この「停戦協定」に違反したと断定して武力行使を正当化することもできません。
なぜなら、この停戦協定の当事者は国連だからです。その国連が協定違反や協定の失効を認めていないのです。
小泉さんの出した3つの安保理決議は、どれも戦争を合理化する根拠になりえないことは明らかです。
この戦争は、国連と国際法を踏みにじった無法な先制攻撃です。こんなことを許したら、世界の平和秩序が根底から壊されることになるでしょう。絶対に許すわけにいきません。
査察による平和解決への道を一方的に絶ち切る
ふたつ目は、本格的軌道にのりつつあった国連の査察による平和解決への道を絶ち切るものだからです。
国連査察団のブリクス委員長が3月7日におこなった報告では、3カ月の査察で、ミサイル破棄をはじめ実質的な成果があがりつつあったと指摘しています。
そのうえで、「数ヶ月の査察延長」があれば、問題は平和的に解決できるとのべていました。
戦争は、それを力ずくで絶ちきるのですから、一片の道理もありません。ブリクス委員長も、一昨日、「3ヶ月半で査察の門戸を閉じることは適切ではないと考える」と、批判しています。
はかりしれない罪なき人々の犠牲
みっつ目は、罪のない多くの民間人が犠牲になるからです。
バクダットに対する爆撃は、子どもたちや女性、高齢者など多くの民間の人々が犠牲になるのです。そんなことは、絶対に認めるわけにいきません。
国連の文書でも、戦争によって50万人の死傷者、300万人の難民が生まれることを予想しています。
ユニセフによれば、イラクの2230万人の半数、1130万人が18歳未満の子どもです。ですから「いったん起これば、戦争はもっとも子どもたちを傷つけます」と訴えているのです。
小泉総理は、「イラクが大量破壊兵器を持っているかもしれない」という理由だけで、このような非人道的な犠牲をやむをえないと思っているのでしょうか。
このような野蛮で無法な戦争をただちに中止すること、政府は戦争支持の態度をただちに撤回すること、このことを強く求めるものです。
私は、午後6時半から、日本共産党主催のイラク戦争反対緊急集会に参加(写真はそのときのものです)。すぐに、国会に戻り本会議に出席しました。宿舎に帰ったのが夜中の12時。この「奮戦記」が完成したのは2時でした。
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