奮戦記
【03.02.20】「政治とカネ」で小泉総理に質問しました
今日は、予算委員会で「政治とカネ」の集中質疑がおこなわれ、私は、小泉総理に質問しました。これは、NHKテレビでも放映されました。
まず、公共事業受注企業からの政治献金について、自民党総裁でもある小泉総理にただしました。
自民党の政治資金団体である国民政治協会は、先月末から今月はじめごろ、ゼネコンの業界団体・日本建設業団体連合会(日建連)に、約3億円の献金を要請したそうだが、事実ですか、と聞きました。
これにたいして、「例年この時期にお願いしている」という答弁でした。
私は、公共事業受注企業からの献金が、これだけ大問題になっている時期に平気で「例年」のことだからと要請する、その感覚が国民から問われているのではないか、と追及しました。
要請を受けたあるゼネコンの役員は、こう言っているのです。――「オモテだっては反対をクチにできない。しかし、自民党もいいかげんにしてくれというのが率直な気持ちだ」。
小泉総理の答弁には、政治献金にたいする自民党の無感覚ぶりがあらわれています。
つづいて私は、2月12日に福井地裁の判決に関連して総理に聞きました。
これは、準大手ゼネコンの熊谷組が、自民党=国民政治協会への献金について問われた裁判です。
熊谷組は、1997年度から株主への配当ができず、無配がつづき、業績が落ち込んで経営再建中でした。
ほんらい、株主が出資した資本金を元に事業を営む会社は、株主への配当を優先的に支払う義務があります。無配というのは、配当に回すお金がなかったということです。
にもかかわらず、自民党=国民政治協会に対して、いわれるままに政治献金を続けました。そのことが、経営者として民法上の「注意義務違反」にあたるとして、元社長に返還命令が出されたものです。
判決文には、こう書かれています
――「少なくとも会社に欠損が生じて以後の政治献金の寄付に関しては、……厳格な審査を行い、欠損の解消にどの程度の影響があるか、株主への配当に優先して寄附を行う必要性があるかを慎重に判断することが求められる」「そのような判断を経ることなく寄附することが許されると解すべきではない」。
要するに、赤字で配当もできないような会社は、政治献金を優先して配当を怠るなどあってはならないということです。
この熊谷組の献金は、国民政治協会すなわち自民党の要請に応じたものです。裁判のなかでもこれが認定されています。
自民党の総裁でもある総理は、こういう会社に献金の要請をつづけ、受け取り続けるつもりなのか。赤字で配当もできない、法人税も払えない。
にもかかわらず、自民党への政治献金だけは続けたということは、株主に配当せずに、自民党にだけ配当するようなものではないか、とききました。
小泉総理は「法に違反してはいけない。今後については、受け取らない態勢をつくる」とのべました。
私は、上場している建設会社のうち、1996年から2002年までの7年間の間に、無配に転落したことのある企業をリストアップして、政治資金収支報告書をもとに自民党への献金の有無を調べ、その資料を予算委員会に配布しました。
その結果、献金している37社を一覧にまとめてみました。
無配当のときに献金をしているゼネコンが、29社もあるのです。この29社には、上場している売上高上位47社のうちの25社が含まれています。
また、3期以上連続して無配が続いているのに、自民党にはその期間も、毎年きっちり献金している企業が11社もありました。2期以上連続している企業を加えると、20社に達します。
小泉総理は、「経営者も無配の状況で献金することはあってはならない」「自民党も無配の会社からの献金を求めないという態勢にしていかなければならない」と述べました。
小泉総理のこの答弁は、初めてのものです。
最後に私は、このような事態がうまれたのは、公共事業をめぐるゼネコンと政権政党の関係があるからではないかと問い、企業団体献金を全面的に禁止べきだが、当面、4野党が提案した公共事業受注企業からの献金を禁止する法案をの実現のために全力をあげることを表明しました。
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私はタヌキでも、化かしませんよ〜