奮戦記
【03.01.25】「公約破り」が当たり前の内閣でいいのか
一昨日の衆院予算委員会で、小泉首相は、国債発行額を30兆円以内に抑えるなどの公約について、こんな答弁をしました。
「もっと大きなことを考えないといけない。この程度の約束を守れなかったのは大したことではない」
私は、予算委員会でこの小泉さんの答弁を聞いて、あ然としました。
しかし、もともと「国債30兆円枠」は、小泉首相が一昨年4月の自民党総裁選出馬にあたって公約したものでした。
小泉政権発足にあたっての自民、公明、保守の「三党連立政権合意」で、「財政健全化への第一歩となるよう、国債発行を30兆円以下に抑制することを目標とする」と明記するなど、小泉政権の経済財政運営の基本に据えられてきたものだったのです。
だから、去年も小泉さんは「この方向に対して多くの国民は期待を寄せていると思うんです。その方針が大事なんですよ」(2002年1月24日の衆院予算委員会)と、胸を張っていたのです。
「この程度」などといって、簡単に公約を破るならいったい何を信頼すればいいのでしょうか。政治家の言葉は重いはずです。
■選挙公約を踏みにじって「時代が変わったから」と開き直る
公約に対して「この程度」の認識しかもちあわせていないのは、小泉さんだけではありません。昨日、私が質問した坂口厚労大臣のばあいもそうです。
公明党は、1989年に消費税廃止の代替財源法案を社会党、民社党、連合参議院とともに共同提出し、92年の参院選重点政策でも「消費税廃止」を唱えていました。
私は「公明党はもともと消費税導入に反対といい、廃止の政策を掲げていたのではないか」とききました。
これにたいして、坂口厚労相は、「それはそういうときも確かにあった。導入するときの話だ。しかし年々刻々状況は変わっている。法人税、所得税を高くすれば(大企業、高額所得者が)海外に出ていってしまう。そうしたことを勘案して全体の税制を考えていくべき時期にきているといっている」。――こう答弁したのです。
これは、自民党とまったく変わらない立場にたっていることを示しています。
私は、答弁を聞いていて「この程度の約束を守れなかったのは大したことではない」といった小泉総理の発言を思い起こしました。
だいたい、坂口氏自身の「選挙公報」(1990年2月)にも違反しているのです。
これにたいして、坂口さんはこう言ったのです。――「公約というのは、4年間どうするかというもので、未来永劫(えいごう)これでいくということではない。時代が変わればそれに対する考え方も変わっていくのは政治家として大切だ」。
私は、いったい時代はどう変わったのか、弱い者いじめという消費税の性格がどう変わったのか、何も変わっていないではないかと思いました。
だから私は、「時代が変わったのでない。公明党と大臣の姿勢がクルクル変わったのだ。こんな国民を愚弄(ぐろう)するやり方はない」と批判したのです。
こんな「公約破り」が当たり前の内閣でいいのでしょうか。
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