奮戦記
【02.12.19】おだまり!「消費税増税」の大合唱
どうもこのところ、あちこちから「消費税を増税すべきだ」という声が聞こえはじめました。――危険な動きです、気をつけましょう。
内閣府は16日に、将来に向けて消費税率引き上げの検討を求めるというリポートを公表しました。
日本経団連の奥田碩会長は「消費税を2004年度以降毎年1%ずつ上げれば、2014年度に16%となった後は上げる必要がなくなる」などと講演でのべ、消費税の段階的引き上げを提言しました。
だいたい16%にも引き上げておいて「上げる必要がなくなる」とは、いったいどういうことだ! ほんとうに腹が立ちますね。
さらに、経済同友会は5日、新しく創設する年金制度の財源として消費税を2010年度に14%にする案を発表しました。
しかも、小泉首相は5日の経済財政諮問会議で、基礎年金の国庫負担を現行3分の1から2分の1に引き上げる財源として、消費税増税を示唆したそうです。
自民党の青木幹雄参院幹事長は17日、「いずれは議論をするときがくる」と発言。野中広務元幹事長も、11日に「消費税を2%ずつでも上げていって、これからの福祉を考える国民的コンセンサス(合意)をつくる努力をしなければならない」とのべました。
額賀福志郎幹事長代理も、16日の講演で「だれかが将来の(社会保障を)負担しないといけないから、消費税は引き上げなければならない」といいました。
かれらが、消費税増税の理由としていつも持ち出すのは、「社会保障の財源がないから」という口実です。
社会保障を預かる坂口力厚労相も、「高齢者医療や基礎年金を賄う財源を一般財源(税)でみるか、保険料でお願いするか決断しなければならない」(12日)と言明しています。
それなら予算のムダを削ればいいではありませんか。ムダな公共事業、ムダな軍事費・ODA、ムダな大銀行支援……これらにメスを入れれば、いくらでも財源はあります。
だいたい、社会保障にたいする国の負担を削減しておきながら、消費税増税でしか財源がないなどという言い分は、ぜったいに通用するものではありません。
日銀が、半期ごとにおこなっている国民の生活意識に関するアンケート調査でも、どうしたら消費を拡大しますか、という問いに「消費税の減税」がトップ・スリーに入っています。
NHKが11月29日から12月1日に実施した世論調査によれば、景気をよくするため政府が力を入れるべき対策として、第1が「雇用の安定」20%、第2が「デフレを食い止める」13%、そして第3に「消費税引き下げ」を求める声が10%にのぼっているのです。
この国民の声こそ、まじめに聞くべきではありませんか。――消費税増税の合唱は、絶対にやめるべきです!
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