奮戦記
【02.12.07】“丸投げ”で道路4公団民営化委の矛盾が爆発!
驚きましたね〜。
6月から35回も審議をつづけてきた道路関係四公団民営化推進委員会が、委員の意見がまとまらず、つかみあいのケンカのように紛糾したあげく、今井敬委員長が辞任した後、松田昌士委員らがまとめた案を最終報告として決定するというまったく異例の事態となりました。
どうしてこんなことになったのでしょうか。いちばんの原因は、小泉内閣の“丸投げ”にあります。
世論調査では、「これ以上の高速道路はいらない」という人が7割近くに上っていました。もともと高速道路計画は、政府が決めて道路公団にやらせてきたものです。この点についてきちんとした反省がなければなりません。
ところが小泉内閣は、昨年暮れの「特殊法人等整理合理化計画」で、ムダな高速道路をつくらないという政策を打ち出さなかったのです。そのうえで、民営化委員会に丸投げしたのです。
この間、委員会では、高速道路の建設をこのまま進めるのか、40兆円にのぼる4公団の債務をどう処理するかという根本問題をあいまいにしたまま、もっぱら「民営化」の形態だけの論議をつづけてきました。
「民営化」すればすべてがうまくいくというものではありません。
だから委員会では、ファミリー企業の問題でも議論はしてみたものの、かんじんの天下りの禁止、政治家との癒着を断つ問題などの解決策が、まったく示されませんでした。
現在の高速道路建設は凍結し無駄な建設はきっぱりと中止する、債務を国民負担に押しつけない、そのうえでどうしても必要な国民、住民が望む道路を精査してつくるという、基本の問題が、何も解決されずに残されたままなのです。―――真剣に考えなければならないのは、このことではないでしょうか。
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