奮戦記
【02.10.03】中電・浜岡原発の調査に参加しました
■日本共産党国会議員団・東電等不正事件真相究明委員会で
今日は、中部電力浜岡原子力発電所に調査に入りました。日本共産党国会議員団の「東京電力等不正事件真相究明委員会」のメンバーの一員として。
私たちが前回、調査に来たときは昨年の11月末でした。浜岡原発の配管破断事故・水漏れ事故の直後でした。――あのときにつづいて、きょうは2度目の浜岡原発の内部調査になります。
参加したのは、団長の吉井英勝衆議院議員、瀬古由起子衆議院議員、大森猛衆議院議員、佐々木憲昭衆議院議員、平賀高成前衆議院議員、それに地元の石原浜岡町議、清水町議候補などです。
東京電力の不正事件に引き続き、中部電力でも浜岡原発において、1・3号機での再循環系配管のひび割れ、4号機でのシュラウド(炉心隔壁)のひび割れなどのトラブル隠しが明らかになっています。
これらについて、中部電力から説明を受け、3号機の現場を調査し、原因の解明、再発防止対策をすすめる。――これが、今回の調査目的です。
■浜岡3号機、2号機の格納容器のに入りました。
はじめに、総合事務所長の池田さんから概要の説明を受けたのち、3号機のなかに入りました。
ここでは、再循環系配管のひび割れ場所を確認しました。放射線が強いため2分間程度しかその場所にいることができません。ひび割れカ所は、配管のなかにあるためキズそのものは見ることができませんが場所確認し、超音波でどのようにして検査するかの説明を受けました。
「すべての箇所を検査するのか」と聞いたら、継ぎ目のような部分を中心に調べるだけというのです。――う〜ん、これでいいのかな。
原子炉の格納器内に入るためには、写真のような防護服に身を包み、幾重にも張られたチェックをクリアしなければなりません。3号機でも、2号機でも同じようにパンツ一枚になり、すべて着替るのです。
2号機では、余熱除去系点検用水抜き配管および蒸気凝縮系への分岐仕切弁(バルブ)を視察しました。
0.05ミリ・シーベルトになると、身につけているセンサーのアラームが鳴ります。
私があびた放射線は、3号機で0.03ミリ・シーベルト、2号機で0.01ミリ・シーベルト、あわせて0.04ミリ・シーベルトでした。一応、基準以内におさまりました。
<最後に渡された、あびた放射線の量を示す記録紙>
■今年になって4号機で「67カ所のひび割れが見つかった」!?
4号機では、昨年はひび割れがひとつも見つからなかったが、今年に入って何と67カ所も見つかった。――こんな話が、はたして信じられるでしょうか。
3つの可能性があります。
第1は、いきなり67カ所もひび割れができた。――そうであれば大変です。来年は、もっと増える可能性があり、いっそう大変な事態になるかもしれません。
第2は、昨年もひび割れが見つかっていたのに隠していた。――それなら、重大な背信行為になります。
第3は、ひび割れを発見できなかった。――それなら、検査能力がなかったり検査機器の限界ということにもなるでしょう。だとすると、発見できていないひび割れが、まだまだたくさんあるのではないか、ということにもなります。
いったい真相は何なのか、徹底的に糾明しなければなりません。
浜岡原発では、「もともと原子炉の水は濁っているので、超音波での検査というのは難しい。経験を要する」といっています。それなら、検査技術そのものも未確立ということではないでしょうか。
――いずれにしても、「昨年はひび割れがなかった」といってすまされる話ではありません。深刻に受け止めているのかどうか、根本的に問われる問題です。
■浜岡原発だけで6000人が働いている!
この浜岡原発には、現在じつに6000人近い人が働いていることに驚きました。下請・関連会社が3000人、建設関係が2000人ということでした。
こんなにたくさんの労働者が働いていることに、驚きました。職場の安全対策は、とうなっているのでしょうか。
通常の運転の場合は、従業員が720人、下請・関係会社で常駐しているのは2300人、あわせて3000人だということです。
それにしても、人数が多いですよね。
原子力安全・保安院は、9月21、22日に立ち入り検査を実施し、10月1日に中間報告を公表しました。
それによると、「資料には改ざんなどの事実はない」「安全性に関する技術情報の共有化の観点から、国に報告することが望ましかった」「安全性に係る電力会社の判断については概ね容認できる」というものでした。
■浜岡原発は直ちに廃炉の検討を!
しかし、改ざんの事実を調査するというのも、どれほどの精度を持って行われたのか疑問が残ります。浜岡原発側の説明では、「全部の再検査ではなく部分的な実態の確認だった」という回答でした。<記者会見する調査団>
国民の安全にかかわる問題だけに、すべての情報を公開し今後の原発政策そのものを国民の検討にゆだねなければなりません。
とくに、浜岡原発の場合は、東海地震の震源地の上に位置していること、昨年から事故を繰り返し多くのひび割れが発見されていること、老朽化していることなどを考えると、1、2号機はこのまま廃炉にすべきです。比較的新しい3、4号機についても、廃炉を含む検討が必要でしょう。
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