奮戦記
【02.10.02】どこまで大増税・大負担を押しつけるつもりか!
■公明党の坂口厚労大臣が「消費税引き上げ」を表明
びっくり仰天です!――内閣改造で留任した坂口力厚労相が、「消費税の引き上げ」を提案したというのです。「しんぶん赤旗」の報道によると時事通信のインタビューに答えて発言したのだそうです。
大臣に再任されて気持ちが大きくなって口を滑らせたのではなく、どうも計算通りの発言のようですね。
坂口大臣は、2004年度実施の年金制度見直しの検討にあたって、基礎年金の国庫負担引き上げ(現行3分の1から2分の1)の財源について、「消費税の引き上げでお願いする案を示し、国民に議論してもらう時期にきていると思う」とのべたというのです。
■1%の税率引き上げで2兆5000億円の国民負担増
基礎年金の国庫負担を2分の1に拡大することは、前回(2000年)の改悪法に付則としてもりこまれました。それは、「安定財源の確保」と一体ですすめることとなっていました。坂口厚労相の発言は、この財源として消費税増税の検討に着手する意向を示したものです。
そのために必要な財源は、2兆5000億円(2002年度ベース)で、すべて消費税でまかなうと、1%の増税が必要となります。
基礎年金の国庫負担を増やすことは当然ですが、その財源をどうして庶民いじめの消費税に求めるのでしょうか。もっと別のやりようがあるのではありませんか。あまりにも安易です。
■基礎年金全額を消費税でみると税率は15%を超える!!
厚労省は、この秋にも提出するとして次期年金の改革案を検討しています。重大なことは、財源について全額税方式にすることも含めて検討していることです。
基礎年金の支給に必要な費用として、厚労省は2002年度で15兆7000億円、2025年度には22兆9000億円と試算しています。――この財源を全額消費税とすると、2002年度で6・3%、2025年度では9・2%もの増税が必要となります。
そうなると消費税率は15%を超えることになります。とんでもない話です。
■まともな老後保障もないうえ、消費税大増税で追い打ちをかけるのか!!
だいたい、「年金のため」「老後のため」などという口実そのものがデタラメです。
消費税が導入されたときも5%に増税されたときも、「高齢化社会のため」という口実でした。
しかしじっさいには、介護も年金も医療も国民には負担増ばかり押しつけられ、改悪の連続だったのです。消費税が高齢化社会のために使われたという形跡は、まったくないのです。これでは、国民は踏んだり蹴ったりではありませんか。
■国民に痛み押しつける先頭に立ってきた公明党が「福祉の党」だって?
そういえば、3年前の99年8月、公明党の神崎代表は日本記者クラブの講演で、こんなことをいっていました。<医療改悪の強行採決に抗議する集会>
――「社会保障の将来あるべき姿を考えると、消費税は将来的に引き上げざるを得ないということは率直なところです」などと……。
こうみると、公明党が与党のなかでも増税路線の先頭に立ってきたことは明らかです。
公明党は、参議院選挙政策で医療費の負担増反対を掲げていたのに、坂口氏が大臣になると、この公約を踏みにじって負担増の先頭に立ちました。坂口大臣は、昨年の5月21日「鉄かぶとをかぶって、雨あられが降っても突進していく覚悟だ」などとのべていたのです。――ほんとうにひどいですね!
どうしてこれが「福祉の党」などといえるでしょうか。――小泉総理は、公約破りの実績を見込んで、公明・坂口氏に大臣を続投させたのでしょうね。
◆赤旗まつりでお会いしましょう!
赤旗まつりは、11月2日から4日まで、東京・江東区「夢の島」公園で開かれます。11月3日(木)午前は、切実討論「どうなる、どうする暮らしと経済―小泉経済運営の破たんと打開の道を考える」がおこなわれます。
暉峻淑子(てるおか・いつこ)さん(埼玉大学名誉教授)、山家悠紀夫(やんべ・ゆきお)さん(神戸大学大学院教授、元第一勧銀総合研究所専務理事)、それにわたしが出演します。
このサイトをごらんの皆さん! ぜひ、会場でお会いしましょう。
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