奮戦記
【02.09.19】日銀よ、お前もか! 銀行持株買取りの愚策
ほんとうにあきれました。
日銀が、「銀行の持っている株式を買い取ってあげます」などという前代未聞の政策を発表したからです。
●損が出たら国民が負担する
もしも、こんなことをやって損失が出たらどうなるのでしょう。「日銀が損をする」というだけではすまないのです。
損が出たら、日銀から国に入る「国庫納付金」がその分減ってしまい、最終的には国民負担につながるのです。
どうして、大銀行にそこまでしてやらなければならないのでしょうか。
さっそく本日、党の財政金融部会で、日銀の担当者から説明を受けました。しかし、聞けば聞くほど首をかしげてしまいます。
●世界でも例がない
「世界でこのようなことをやった例はあるのか。日本では過去に例があるのか」ときいたところ、「外国にも日本にも前例はありません」というのです。
速水総裁は「世界の中央銀行で民間の株を持っているところはない」(18日の記者会見)と認めるように、元本保証もない株式を保有するなど、とんでもないことです。
日銀の山口企画室審議役は、わずか1週間まえ(12日)、参議院決算委員会で「日銀法では、日銀がオペにより買い入れることができる資産は、手形あるいは債券に限定されており、日銀がETF(株価指数連動型投資信託)を買い入れることは想定されていないと理解している」と、発言したばかりではありませんか。
●禁じ手を使ってはならない
もともと、日銀法33条では金融調節の手段として「商業手形その他の手形の割引」など8項目の金融調節業務を行なうことを定めていますが、このなかには株式の購入は含まれていません。
日銀による株式直接購入は、日銀法違反すれすれの「禁じ手」なのです。
今回は、同43条の「この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない」という規定を使うそうです。しかし、これは、まさに例外条項なのです。もっと厳しく言えば「脱法的行為」なのです。
よほどのことがないかぎり、こんな禁じ手を使うことは許されません。
●対米公約が引き金に
なぜ、急にこんなことをやることになったのでしょうか。
先の日米首脳会談で、小泉総理が「不良債権処理の加速」を公約したからに違いありません。
しかし、不良債権を処理すればするほど、不良債権が増えてきたのではありませんか?
――なぜそうなったのか、この問題点にメスを入れず、銀行支援だけを強めても、それは小手先の対症療法にすぎません。
まさに「日銀よ、お前もか!!」です。――厳しく追及しなければならないと思っています。
日銀法43条にもとづいて承認を求めてきても、財務大臣・総理大臣は、このような日銀のやり方を認めるべきではありません。
じっさい今日は、この政策を受けて一時的に株価が上がりましたが、すぐにしぼんでしまったではありませんか。
日本経済のおおもとの体質を改善をせずに、傷口に絆創膏を貼るだけではだめなのです。
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ちゃ〜んと、見てるんだから!
――境港市の水木しげるロードで(9月18日撮影)
