奮戦記
【01.10.10】「報復戦争参戦法」案の審議をめぐり緊迫(つづき)
───第2。
日本は、まともな難民支援をやっているのでしょうか。
難民高等弁務官事務所からの要請は、「できるだけ早く」「できるだけ多く」物資を運んでほしい、というものでした。決して、「自衛隊機を飛ばしてほしい」などという要請はありません。
<写真は議面集会のようす。挨拶しているのは私>
それなのに、自衛隊機C130、6機が、愛知の小牧基地から飛ばしました。それは、結局3泊4日かかって現地に着いたのです。民間機なら、わずか11時間で行けるところにです。
米軍と空爆に参加しているイギリスでさえ、2回とも民間機で援助物資を運んでいるのです。中国も韓国も、民間機です。──日本だけ自衛隊機を飛ばしているのは、あまりにも世界の常識からはずれいるのです。「早く」という要請に対して、わざわざ遅く行くようなものではありませんか。
では、できるだけ多くという点ではどうか。
C130が運んだのは、テント315張り、毛布200枚、ポリバケツ400個、ビニールシート75枚、スリーピングマット20枚だけです。
そのために、何人の自衛隊員が行ったのでしょうか。140人です。──自衛隊員一人当たりテント2張り、毛布1・5枚、スリーピングマットは7人で1枚です。
イギリスが民間機で運んだのは、一回一機当たり86トンです。これにたいして、日本はわずか6トンです。何と13分の1にすぎないのです。
これでは、「できるだけ早く、できるだけ多く」という要請に対して、「できるだけ遅く」「できるだけ少なく」で応えるようなものではありませんか。───何が何でも自衛隊機を飛ばしたい、という魂胆が見え見えなのです。
───第3。
では、自主的な判断があるのでしょうか。
米軍の行くところには、どこまでもついて行くというのが、この法律の内容です。自主的判断など、まったくありません。
アメリカの関係者は、アフガン以外にも「軍事攻撃あり得る。イラクやスーダンへの攻撃もあり得る」と言っています。日本は、どこまでもそれを支援するのでしょうか。───小泉首相は、「参加はあり得る。どのように参加するかが問題だ」と答弁しました。
ところが、10月8日のEUの外相理事会では、アフガニスタン以外への拡大に釘をさす発言が相次いでいます。イギリスの外相は「標的はアフガンの軍事施設とテロリストに限定している」といっています。
日本だけが、アメリカのやることは何でも無批判に無条件に「ついていく」という立場なのですから驚いてしまいます。