奮戦記
【01.09.21】日銀の速水総裁に質問しました。
財政金融委員会が急遽開催され、日本共産党の吉井英勝議員は金融担当大臣と財務大臣に、私は日本銀行の速水総裁に質問しました。<右は日銀総裁の説明文書>
日銀が、これまで連続して「金融緩和」をすすめてきたのに、なぜ銀行から先の中小企業や庶民に資金が回らないのか。───これは、誰もが抱く疑問ではないでしょうか。そこで、日銀総裁にこの疑問をぶつけてみました。
公定歩合は、今年初めには0・5%だったのに、この9月には0・1%になりました。いくら「金融緩和」をして、資金をじゃぶじゃぶ出しても、銀行から先に融資が増えてきません。───「国内銀行の貸し出し残高」の総額は、1997年の3月から今年の6月までのあいだに、39兆円も減少しました。比率では8・1%の減少率です。たいへんな落ち込み方です。
それを、大企業と中堅・中小企業の2つに大きく分けると、大企業への融資残高は7・9兆円も増えているのに(8・2%増)、中堅・中小企業は46・8兆円のマイナス(12・2%減)です。 つまり、大手銀行には融資を増加させているが、中小企業にたいして冷たい選別融資をおこなっているということです。
まじめに働いているが、不景気のため経営が苦しい中小企業は「優良ではない」とレッテルを貼られ「貸し出しを減少させられた」中小企業がたくさんあります。銀行のこの融資態度を是正しなければ、資金が必要なところに回らないのではなでしょうか。
私は、こう総裁にただしました。
総裁は、こう答えました。───「銀行としても、将来見通しの暗い企業にたいしてどうすれば生き返らせられるか、その指導性をもってのぞむことが大事だ」。これ自体は、正しい考えです。ところがその一方で、総裁は「小泉内閣の構造改革に期待している」などと、中小企業切り捨ての不良債権の短期処理政策を礼賛しているのですから、矛盾しています。
<写真は21日の財務金融委員会の様子。左側の答弁席に立っているのは塩川財務大臣、右側の質問席は吉井議員>
私は、「実体経済を刺激し個人消費を回復させることが決定的だ。同時に重要なのは、大手銀行の中小企業への貸し出し姿勢を転換させることだ」と主張しました。しかし、それをやるのは、日銀だけでなく政府の仕事でもあるのです。