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その他 (独立行政法人)

2006年03月15日 第164回 通常国会 財務金融委員会 【346】 - 討論

「独立行政法人酒類総合研究所法の一部を改正する法律案」に反対の討論

 2006年3月15日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は「独立行政法人酒類総合研究所法の一部を改正する法律案」について質疑が行われました。
 その後、討論と採決が行われ、法案は、日本共産党・民主党が反対するなか、与党の賛成多数によって可決されました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。
 第一の理由は、行政機能のスリム化、効率化のもとに、研究所職員の非公務員化を進めることは、税務行政と深いかかわりを持つ本研究所に対する国の責任を弱めることになるからであります。
 酒類の分析、鑑定という研究所の業務内容は、酒税を定める際の重要な基礎データとなるものであります。それだけに、より高い公共性や客観性が求められているのであり、本来、国の機関として存続し、その機能を強化すべきものであります。非公務員化への移行は、全くの逆行だと言わなければなりません。
 第二の理由は、非公務員化により職員の身分を不安定にし、長期的視野で取り組むべき基礎研究や酒類の安全性など、国民にとって必要な研究基盤が掘り崩されることになりかねないことであります。
 泡なし酵母の開発と実用化、しょうちゅう蒸留廃液の適正処理など、従来の研究内容は極めて高度で、世界に誇れるものであります。これらは、実質10年から15年をかけた、いわば腰を据えた研究活動の成果であるとも言われております。ところが、今回、非公務員化されれば、職員の身分は不安定となり、短期間で成果が求められる、効率のよい研究が優先されることとなります。研究所の目的である高度の専門性や、民間ベースでは困難な基礎的、中長期的な研究を進めていく上で、大きな支障となることは明らかであります。
 最後に、独立行政法人化以降、受託研究や共同研究が増加していることも危惧する点であります。財務省の平成16年度全体的評価によると、「新たに外部資金を獲得したことで増収を図っている。」と、受託研究等に対し重要な評価を与えています。外部資金に依拠した研究活動に比重が傾くと、当然、大手企業などに依拠した研究活動が優先的に進められることも懸念されるところであります。
 今大事なことは、職員数や運営交付金を削減するのでなく、むしろ充実することであります。それでこそ、基礎的研究や独創的な研究が発展し、後継者育成を初めとする中小零細業者への支援も前進することになります。日本の伝統的文化である清酒醸造を守ることにもつながります。このことを強調し、私の反対討論といたします。(拍手)

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