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金権・腐敗政治, その他 (政治資金収支報告書の虚偽記載, 選挙制度)

2014年11月06日 第187回 臨時国会 倫理選挙特別委員会 【806】 - 質問

地方議員半減は問題、住民の声反映こそ

 2014年11月6日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、来年行われる統一地方選の特例法審議が行われました。
 佐々木憲昭議員は、全国の市区町村数と市区町村議員数を確認。総務省は、「平成の大合併」が始まる前1998年度末に3255市区町村だったのが、2013年度末には1742市区町村になっていると答弁。市区町村議員は、98年末には6万303人、13年末には3万1250人へ半減していることを明らかにしました。

 佐々木議員は、「大変な減り方だ」とのべ、「合併によって、住民と行政が遠くなったとの声が多く聞かれる。地方議員は、住民の声を地方政治に反映する大切なパイプ。これほど議員が減ると、地方自治の役割、住民の声を十分に反映するという点で問題がある」と批判しました。
 高市早苗総務大臣は「人口減少の中でこれだけの議員数がいるのかという声や、一方で住民の代表者が減りすぎてしまうと行政の力が強くなりすぎ、チェックが働かないのではないかとの議論もある。地方の実情に応じて、条例で定めるべきもの」と答弁しました。

 また、佐々木議員は、公正でなければならない選挙で、この10年間に選挙事務のミスが倍増している問題をとりあげ、「予算や人員の充実が必要ではないか」と質問。高市氏は、「ミスが増えていることは憂慮すべき事態。遺漏なきよう万全を期すため、必要な予算、人員の確保することは重要」と答えました。

 さらに、前回質疑の際、高市大臣が迂回献金を認めるかのような答弁をした件も取り上げました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 前回の質疑に関連をしましてお聞きしたいと思います。
 政治資金規正法では、後援会というのは企業・団体献金を受けることができないと規定されておりまして、このことを確認した上で、私は次のように質問をいたしました。
 企業・団体献金を受けた政党支部から後援会が献金を受け取る、つまり、支部を経由して後援会が企業・団体献金を受け取るとなると、結局、これは抜け穴になるのではないか。この質問に対して、高市大臣は、法的には可能でございますという答弁をされました。
 これは迂回献金を認めるかのような答弁でありまして、もう一度確認したいんですけれども、大臣は、企業・団体献金を受け取ることが禁止されている後援会あるいは政治団体、こういうものが脱法的な迂回献金によって企業・団体献金を受け取ることは許される、そういう認識なのかどうか、確認をしておきたいと思います。
○高市総務大臣 平成17年の議員立法による政治資金規正法の改正では、政党、政党支部及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附は、同一の者に対して、年間5千万円を超えることができないとされた。一方で、政党、政治資金団体とその他の政治団体間の寄附については、上限も設けられておりません。それはやはり、政党本位の政治資金制度の確立を図ること、政党の政治活動の自由を妨げないこと、これが理由でございます。不必要に国民の権利、自由を制約することが適当だとは思っていないということでございます。
 委員のおっしゃる迂回献金ということでございますけれども、恐らくは、平成16年に小泉総理が答弁の中で、政治資金規正法を脱法するようないわゆる迂回献金はあってはならない、こう答弁しておられましたけれども、あのとき志位先生が質問者でいらっしゃって、これは受け取り先の議員名を指定した政党への献金でありますから、そういった意味での脱法があってはならないという考え方については、私としても同じです。
 ただ、政党と政治団体間の寄附一般に関して述べられた答弁ではないと承知いたしております。
○佐々木(憲)委員 議員に対してという話に限定されましたけれども、それはだめだ、やってはならない、これは脱法的な行為である、これは当時の小泉総理が答弁をされたわけであります。
 それは認めたということでありますが、後援会が直接企業・団体献金を受けてはならない、こういう規定になっているわけですね。それは大臣も確認されていると思います。
 ところが、政党支部が企業・団体献金を受け取って、その政党支部が後援会に献金をする、後援会は企業・団体献金を間接的に受け取る、これはまさに迂回でありまして、脱法的な行為に間違いはないわけであります。
 そういうことは法の建前上あるいは本来の目的からいうと逸脱した行為でありまして、これが当たり前だというのでは、何のための禁止なんでしょうか。これはあってはならないということだと思うんですけれども、いかがですか。
○高市国務大臣 一旦政党、政治資金団体に献金されたものが、政党を通じて政治家本人やその資金管理団体等に対して配分される場合ということについての御質問だと思うんですけれども、基本的には政党運営に係る問題でございますから、政党から政治家等に対して支出された事実というのは、政党の収支報告書に記載され、国民の皆様の前に公開されるものでありまして、そのあり方の当否は国民の判断に委ねる、これが法律のたてつけでございます。
○佐々木(憲)委員 日歯連を初め、迂回献金というのは国会で何度も取り上げられました。その原資となっている企業・団体献金というものが、ある目的のために特定の政治家に迂回して渡っていくということであれば、これは極めて重大な脱法行為になる。それが後援会だから全く違うんだという話には私はならないと思いますね。
 経団連が今回、企業・団体献金を呼びかける、こういう方針を出しまして、自民党の谷垣幹事長は大変ありがたいと。私から言わせると、大変こびへつらったような対応をしたんですけれども、これは重大な問題だと思います。
 やはり、金権体質というものが今回問われているわけでありますから、企業・団体献金は禁止、このことをしっかりと我々は改めて強調しておきたいし、また、迂回して献金を受け取って当たり前だという体質そのものが現在問われているということで、そのことを指摘しておきたいと思います。
 次に、法案に関連して、基礎的なことからお聞きをしたいんですけれども、前回の質疑で高市大臣は、選挙は民主主義の基本、根本、憲法に基づいて公正な、そして公明な選挙がなされるようにとおっしゃいました。これは、国政選挙に限らず、地方選挙においても当然の見地だと思います。
 住民の意思をできるだけその自治体の行政に反映しやすくする、そのための手段が首長選挙と地方議会議員の選挙であります。地方議会は最終的な意思決定機関として位置づけられているのでありますから、住民と密着し、住民の意思が十分に反映されるものでなければならないと思いますけれども、改めて大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○高市国務大臣 地方議会の選挙も、公正に行われ、住民の意思が十分反映されるものでなければならないと考えます。
○佐々木(憲)委員 そこで、数字を確認したいんですけれども、全国の市町村の数、ここのところ減っておりますけれども、平成の合併が始まる前の1998年度末と直近の2013年度末、それぞれの自治体数、それから減少した自治体、これは政務官にお答えいただけますか。
○あかま総務大臣政務官 まず、市区町村数についてでございます。1999年3月31日現在では3255団体、2014年3月31日現在で1742団体となっており、1513団体の減少でございます。
○佐々木(憲)委員 1513団体の減少、半分近くに減っているわけですね。これは大変な減り方であります。
 次に、地方議員の数を確認したいんですが、都道府県会議員、それから市区町村議員、合わせた地方議員の総数、1998年末と直近の2013年末の数字を示していただきたいと思います。
○あかま大臣政務官 それぞれ、都道府県議会議員総数及び市区町村議会議員総数でございますが、都道府県議会議員総数は、98年末で2837名、2013年12月31日現在で2648名となっており、189名減少となっております。
 一方、市区町村議会議員総数でございますが、98年12月31日現在で6万303名、2013年12月31日現在で3万1250名となっており、2万9053名の減少でございます。
○佐々木(憲)委員 今、確認しましたけれども、市町村合併が大変たくさん行われて自治体の数が半分になると、それに伴って地方議員の数も大幅に減っておりまして、特に市町村議員の数は半分に減っているわけであります。
 合併で自治体の規模がどんどん大きくなると、住民と自治体が遠くなった、こういう声は私もしょっちゅう聞くわけであります。
 安倍内閣は地方創生というのを目玉の一つにしておりますけれども、重要なのは、住民参加、住民自治であります。こんなに議員が減りますと、地方自治の役割、住民の声を十分に反映するという点で問題が出てくると思うんですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○高市国務大臣 法的には、それぞれの議会の定数、地方議会の定数については、条例で定めることとなっております。それぞれの地方において、適正に判断をされるべきものだと思います。
○佐々木(憲)委員 適正に判断した結果、半分に減っているわけですよ、議員が。
 先ほど、高市大臣は、議会に住民の意思が公正に反映されることが必要であると。議員の数がこれだけ減ると、パイプが減ってしまうわけです。しかも、自治体の範囲は非常に広くなる。反映できないじゃないか、そういう声が強まっているわけですね。そのことの評価を聞いているわけなんです。
○高市国務大臣 この評価はさまざまあると思います。
 例えば、今、国民の間で、消費税率を上げるのであれば、まず国会、みずから身を切れ、もっともっと定数を減らせといったお声があることも承知いたしておりますし、地方議会においても、人口減少の中で、果たしてこれだけの人数が必要なのかというお声もあります。
 一方で、余りにも極端に住民、国民の代表者が減り過ぎてしまうと、行政の方の力が強くなってしまって、チェックが働かないんじゃないか、こういう議論も国会でも行われました。安倍総理からもそういうお話があったところだと記憶をいたしております。
 さまざまな評価があるかと思いますけれども、やはり各地方の実情に応じて、しっかりと条例で定められるべきものであると思います。また、その条例を定める場合には、やはりそれぞれの議会の議員が関与していかれるわけでございますから、住民の代表としてしっかりと声を上げて、そしてまた、いい働きをしていただきたいな、こう望んでおります。
○佐々木(憲)委員 議員がいい働きをするのは当然のことでありますけれども、議員の数が減るということの問題点、これをよく見ておかなければならないと私は思うわけです。
 総務省自身も、2010年3月に「「平成の合併」について」という文書を取りまとめて、それまでの総括を行っておりまして、その中に、周辺部の旧市町村の活力が喪失される、あるいは住民の声が届きにくくなる、住民サービスが低下する、旧市町村地域の伝統文化、歴史的な地名などが失われる、こういう問題点を指摘しているわけですね。
 合併によって、自治体が遠くなる、議員がどんどん減ってしまう、これは地方創生と逆行する現象ではないかというふうに私は思うわけであります。一定の議員数があって、当然、住民の意思が反映することになるというふうに私は思うわけです。だから、減らせばいいという話じゃないんですね。
 提案された統一地方選挙期日の特例法について言うと、これは我が党は前から、国民の選挙に対する意識を高めることにもつながるという点で賛成してまいりました。
 一方で、先ほどから若干議論がありました、範囲を広げて統一率を高める、高めれば高めるほどよいという議論もありますけれども、そうなりますと、4年ごとの選挙で住民の意思を確認するというのは、これは大原則でありますが、その原則からどんどん離れてしまう、こういうことになりますね。この点での大臣の見解を確認しておきたいと思います。
○高市国務大臣 これは、統一地方選挙の対象期間を拡大しますと、統一期間の前の方に任期満了を迎える団体については、議会議員または長の任期満了日から選挙期日までが不在期間になる。仮に、この不在期間の拡大を防止しようとする場合には、任期延長などの措置を講じる必要がある。そういった課題は考えられると思います。
 前回、ちょっと全体の統一率が低下しておって、これは課題であるということは承知いたしておりますが、いずれにしましても、統一対象期間を拡大するということにつきましては、長年定着してきた地方選挙の仕組みを変えることになります、各方面に相当大きな影響が出ますので、これも幅広い観点からの議論が必要かと存じます。
○佐々木(憲)委員 最後に一点だけ。
 ここのところミスが非常にふえておりまして、10年間で選挙事務のミスが倍増しているんですよ。これはいろいろな要因があると思いますけれども、やはり予算と人の配置というものが非常に手薄になっているんじゃないか、私なんかはそう思います、実際にその費用が削減されてきておりますので。
 やはりこの点で充実させていく、当然、大臣としてはそういう立場に立たれるのではないかと思いますが、そのことを我々も要望しておりますので、最後に御見解を聞かせていただいて、終わりたいと思います。
○高市国務大臣 選挙の管理執行でミスが出ているということについても大変残念でございますし、これは憂慮すべき事態ですので、全般にわたって遺漏なきよう万全を期すために、必要な予算、それから選挙事務に従事する人員を確保することは重要であると考えております。
 一方で、節約できるところは節約する。効率的な運営、この対応というものも取り組みの例が出てきておりますので、例えば、投票所や開票所の事務従事者に賃金職員を導入するとか、備品購入を一時借り上げで対応できないかとか、さまざま、コスト削減の努力もしながら、しっかり必要な人員などの確保に努めてまいります。
○佐々木(憲)委員 終わります。

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