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雇用・労働

2014年10月31日 第187回 臨時国会 内閣委員会 【803】 - 討論

給与法改定案と関連2法案に反対の討論

 2014年10月31日、「給与制度の総合的見直し」の名で一般職国家公務員の給与を平均2%引き下げる給与法改定案と関連2法案が内閣委員会で、自民、公明、民主、生活各党の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
 採決に先立ち、佐々木憲昭議員が質疑と討論を行いました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、国家公務員一般職給与法案及び関連二法案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、法案が措置する給与制度の総合的見直しが一般職国家公務員の給与を引き下げるものとなっているからです。
 人事院は、給与制度の総合的見直しについて、平均2%の引き下げ分を原資として、地域手当の支給地域、支給割合を見直すものと説明してきましたが、配分の見直しにとどまるのは行政職俸給表(一)職員14万人にすぎません。それ以外の11万人を含めた対象職員全体25万5千人では、給与総額が200億円減少すること、全職員の約6割に当たる14万3千人の給与が下がることが質疑で明らかになりました。
 人事院の給与制度の総合的見直し勧告は、単なる配分の見直しではなく、給与引き下げ勧告そのものであります。人事院の労働基本権制約の代償機能としての役割をみずから投げ捨てるものであり、こうした勧告を完全実施する法案は認めることができません。
 反対の第二の理由は、給与制度の総合的見直しが、職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなすとする職務給の原則に反し、その逸脱を拡大するからであります。
 公務員の賃金は、職務給の原則により、全国共通であるはずであります。しかし、2005年の勧告で導入された地域手当により、地域間格差が持ち込まれ、今回の給与制度の総合的見直しは、この地域間格差をさらに拡大するものにほかなりません。
 反対理由の第三は、給与制度の総合的見直しによる給与の引き下げと地域手当格差の拡大による地域間格差をさらに拡大するからであります。
 給与引き上げ勧告の実施は当然でありますが、今回の見直しが地方自治体に波及すると、全市町村の86%に当たる1507団体の地方公務員の給与の引き下げとなり、国、地方全体では、2500億円のマイナスとなることも明らかになりました。地域格差を拡大し、かつ地方を疲弊させることは明らかです。
 なお、他の関連二法案も、この給与制度の総合的見直しを前提とし、給与制度のゆがみを拡大するものであり、反対であります。
 以上、討論といたします。(拍手)

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