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その他 (選挙制度, 強行採決)

2013年04月19日 第183回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【730】 - 討論

0増5減区割法案を与党が強行採決 佐々木議員が反対討論

 2013年4月19日、自民・公明両党は政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、小選挙区の「0増5減」に伴う区割り改定法案の採決を強行し、日本共産党とみんなの党が反対し、与党の賛成多数で可決しました。民主、維新、生活は委員会を欠席しました。

 質問に続いて、反対討論に立った佐々木憲昭議員は与党単独で委員会を開会し、質疑打ち切り・採決まで強行したことに抗議。「選挙制度は民主主義の根幹であり、土台だ。すべての政党、会派が参加して議論すべきで、与党の多数をもって強行することは議会制民主主義を根底から破壊することになりかねない」と批判しました。
 小選挙区制の制定時に日本共産党が、民意をゆがめ、2倍の格差容認だと反対したことをあげ、「出発点から問題のある制度を20年近くも維持してきた各党の責任が厳しく問われる」と述べました。

 「0増5減」案について、格差が2倍を超える選挙区をとりあえずなくすという姑息(こそく)なびほう策でしかないと糾弾。自公民が狙う比例定数の大幅削減をあげ、小選挙区制を維持・固定化して、抜本改革を棚上げしようとするものだと批判しました。
 佐々木議員は、小選挙区制が民意を大きくゆがめる根本的欠陥をもつことが6回の総選挙の結果で浮き彫りになったと指摘。「1票の格差」でも人口移動に応じて「格差是正」を繰り返すことになり、投票価値の平等とは両立しないと述べ、小選挙区制を廃止し、民意が反映する選挙制度への抜本改革こそやるべきだと主張しました。
 佐々木議員は、議員定数削減の動きについても、消費税を押し付けるための口実に持ち出されたものだとし、「民意をさらに切り捨てる極めて不当なものだ」と批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、0増5減の小選挙区区割り法案に反対の討論を行います。
 本法案の審議に当たって、自民、公明両党は、16日夜の議院運営委員会で一方的に委員会付託を強行し、昨日、与野党の合意なく、与党単独で委員会を開会し、与党だけで審議を行いました。さらに、きょうで質疑を打ち切り、強引に採決まで行おうとしていることに強く抗議をしておきたい。
 議会の運営は、本来、与野党の合意のもと、円満に行うべきであります。とりわけ、選挙制度は民主主義の根幹であり、土台であります。全ての政党会派が参加して議論すべきものであります。与党の多数をもって強行することは、議会制民主主義を根底から破壊することになりかねません。
 まず、一票の格差をめぐる一連の違憲判決について言っておきたい。
 立法府の怠慢を指摘したと言いますが、そもそも、現行の小選挙区比例代表並立制の出発点に問題があります。
 1993年、政治改革と称して小選挙区比例代表並立制の導入が提案されたとき、我が党は、小選挙区制は、選挙制度の基本である民意の公正な議席への反映をゆがめ、比較第一党が虚構の多数を得ることで強権政治を推し進めようとするものだとして反対しました。同時に、小選挙区の区割りが発足時から2倍を超える格差を容認していることは、投票価値の平等を踏みにじる違憲立法だと批判しました。
 出発点から問題のある制度を20年近くも維持し続けてきた各党の責任が厳しく問われているのであります。
 本法案は、小選挙区0増5減法に基づき、小選挙区の区割りを画定しようとするものですが、私たちは、もともとこの0増五減に反対をしてきました。
 0増5減は、最高裁が違憲状態とした一人別枠方式による配分を実質的に残して、格差が2倍を超える選挙区をとりあえずなくすという、まさにこそくなびほう策であります。しかも、これを推し進めた民主、自民、公明などの党は、0増5減で小選挙区を固定化した上、比例定数の大幅削減を主張し、提案してきたのであります。これは、制度の抜本改革を棚上げするもので、到底認められません。
 選挙制度は民主主義の根幹であり、多様な民意をいかに正確に議席に反映するかというのが基本原則であります。
 衆議院選挙制度の改革をめぐっては、1年半前から16回、全ての政党が参加して各党協議が行われました。そこでは、現行の小選挙区比例代表並立制が民意を著しくゆがめており、民意を反映する抜本改革が必要だということが民主党以外の多くの政党の共通認識となりました。
 現行の小選挙区並立制が根本的欠陥を持っていることは、この制度のもとでの六回の総選挙結果が浮き彫りにしております。
 2005年総選挙では自民党が296議席、2009年は民主党が308議席、昨年末は自民党が294議席と、第一党が圧倒的な議席を獲得しました。いずれの選挙も、小選挙区での第一党の得票率は4割台にもかかわらず、七から8割もの議席を占めているのであります。得票率と獲得議席に著しい乖離を生み出し、議席に反映しない投票、死に票が過半数に上っております。民意の反映を大きくゆがめる小選挙区制の害悪は明白であります。
 また、一票の格差問題についても、小選挙区制のもとでは、地域別の人口変動に応じて格差の拡大は避けられず、必然的に格差是正を繰り返さざるを得ないことになり、投票権の平等の原則とは両立しないのであります。
 したがって、これらの問題を解決するため、現行小選挙区並立制の廃止を決断すべきです。
 我が党は、小選挙区制を廃止し、全国11ブロックの比例代表制を提案しておりますが、民意を正確に反映する選挙制度に抜本改革すべきであります。
 最後に、昨年の民主、自民、公明の三党合意をてこに、国会議員定数の削減を推し進めようとする動きがあることは看過できません。
 定数削減は、もともと消費税増税を押しつけるための身を切る改革として民主党政権が持ち出してきたものであり、0増5減に続いて、今自公が準備している案も、民主党提出の法案も、その中心は比例定数の削減であります。
 小選挙区の投票価値の平等が問題となっているとき、比例定数の削減を持ち出すのは筋違いであるということであります。民意をさらに切り捨てる、極めて不当なものであります。そもそも、我が国の議員定数は、先ほどの質疑でも明らかになりましたように、国際的に見ても歴史的に見ても少ないものであり、定数削減を行う合理的な根拠は存在しないのであります。
 以上、反対討論を終わります。

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