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財政(予算・公共事業), 金融(銀行・保険・証券) (政府系金融機関, 大型公共事業・再開発)

2007年05月23日 第166回 通常国会 財務金融委員会 【398】 - 討論

政策投資銀行の民営化法案で反対討論

 2007年5月23日、財務金融委員会が開かれ、政策投資銀行を民営化する法案の採決が行われました。採決に先立って、佐々木憲昭議員は、反対討論を行いました。

 この法案について、佐々木議員は、8日9日22日に質疑を行いました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、株式会社日本政策投資銀行法案への反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、本法案が、官から民への政府の基本方針のもと、国民への影響についての検証もなく、初めに民営化ありきで日本政策投資銀行を株式会社化する法案であることです。
 本来、政策金融機関に求められる役割は、中小企業、地域経済振興、国民生活、環境対策などの分野に対し、長期、低利、固定で十分な資金供給をすることであります。日本政策投資銀行の民営化は、政策金融機関の持つノウハウを含む重要な国民の財産の民間への払い下げであり、国民の求める改革とは相入れないものであります。
 第二の理由は、日本政策投資銀行が果たしてきた長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が失われ、これまで投融資を行ってきた公的な事業に重大な影響を与えることです。
 法案では、この投融資機能の根幹について必要な措置を講ずるとされていますが、その内容について、本委員会の審議で一切具体的な方策が示されませんでした。さらに、完全民営化後は政府の関与を否定しているため、その根幹が維持される保証は全くありません。
 第三の理由は、今回の民営化が日本政策投資銀行の資産のたたき売りになりかねないことであります。
 政府は、日本政策投資銀行の株式売却益を1.9兆円と試算していますが、これは資本金や出資金をもとに算出した希望的価格であります。完全民営化により現在のような政府保証債、財投機関債などの資金調達手段を失えば、政策投資銀行の収益は大幅に悪化し、存続すら厳しい状況になります。希望どおりの評価を株式市場で得ることが困難であることは明らかであります。
 主に以上の理由から、本法案に反対であります。
 なお、大手町再開発事業において国有地が不当な価格で民間企業に払い下げられている問題では、日本政策投資銀行が当初から関与していることが本法案の質疑の中で明らかになりました。さらに、払い下げを予定している国有地についても、都市再生機構等がトンネルとして使われていることが明白となりました。今後、引き続きこの問題を明らかにするため、要求した資料の委員会への提出を再度要求して、反対討論といたします。(拍手)

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